<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇28日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>
賞金女王には届かなかった。3打差の2位からスタートした古江彩佳は、女王戴冠には最低でも単独2位以上という状況のなか、トータル6アンダーの3位タイでフィニッシュ。約845万円届かず女王は逃したが、3位タイに滑り込んだことでメルセデス・ランキング1位(シーズン最優秀選手)に輝いた。
出だしの1番で同組の三ヶ島かながチップインバーディを奪ったのを見た後、6メートルを入れ返して自身もバーディ先行。だが、初日に「1番のバーディは怖い」と話していたように、そこから伸ばしていけない。2番パー5ではフェアウェイ左からの2打目で気合いの直ドラも見せたが、3打目を寄せられずパー。その後もパーを並べる展開が続き、7番では右手前のラフから寄せられずボギーを喫して4打差まで広がってしまう。
その後もチャンスの距離が決められない。8番で3メートル、10番、11番で4メートル。9番では80センチを入れてバーディとしたものの、チャンスホールをモノにできず、なかなか差を縮められない。さらには後ろから追いかけてきた小祝さくらに並ばれてしまう。
13番パー5で3打目をベタピンにつけてバーディ。再び単独2位に立ち、三ヶ島に2打差まで詰め寄る。だが、14番はラフからパターで50センチに寄せるも、パーパットをひっかけてボギー。15番では三ヶ島が落としたもののバーディを奪えず、小祝に抜かされて再び3位に。この時点でホールアウトしている稲見は9位タイまで浮上して、優勝しか女王戴冠の条件はなくなる。
16番パー3のティショットは勝負をかけてピンを狙っていくが、これがバンカーへ。このアプローチを寄せられずボギー。17番では2打目を2.5メートルにつけたが決められず。終盤までカップに嫌われたが、外したら最優秀選手を逃すという18番の1メートルのパーパットは決めて、最後に意地を見せた。
大きな重圧のなかでの戦いを終え、「なかなかパターが入ってくれなくて、スコアを伸ばせなかった。でも、プレッシャーがあるなかではいいゴルフはできた」と今年最後の18ホールを振り返る。常に目の前の一打に集中すると貫いてきたが、「頭では考えなくても(賞金女王への思いが)どこかにあった」と見えないプレッシャーとの日々だったと明かした。
稲見の順位次第では単独2位でもOKという状況でも、勝つことだけを考えた。「賞金女王を獲るなら優勝しかないと思っていた。仕方なかったかなと思います」と栄冠を逃しても淡々と話す。もちろん悔しさもあるが、「(女王レースで)勝ちたかったら先週ももう少し頑張らないといけなかった。ここのせいではない」ときょうだけの問題ではないとした。
2つのビッグタイトルのうち1つを死守したことも、悔しさを軽減させる。「自分が目標にしてきたところが賞金女王というのはありますが、(メルセデス・ランキングの)ポイントもすごく大事だなと思っていた。そこが獲れたことがうれしい」。来季から米ツアーに打って出る古江にとって、3年の複数年シードを獲得できたことでより未来が開けてくる。
東京五輪に続いて女王争いのライバルとなった稲見萌寧を「強い」と評する。「私も『うまい』というよりも『強い』と思ってもらえたらうれしい。だから、(稲見は)強い選手です」と名勝負を演じた相手を称賛。表彰式では「賞金女王おめでとう」と伝えたという。
気持ちの整理もそこそこにすぐにアメリカへと向かい、来季の米ツアー出場権をかけたQスクール(最終予選会)へと向かう。72ホールを2度行う、8日間にわたる長期戦。女王にはなれずとも。最優秀選手の勲章を胸に、小さな巨人が世界へと打って出る。(文・秋田義和)
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