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原英莉花2021年初優勝の立役者 ギャップウェッジは何故アイアンともウェッジともモデルが違うの?

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇23日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>

「苦しかった一年」を乗り越えて「大王製紙エリエールレディス」で2021年初優勝を挙げた原英莉花。この立役者が「しっかり110ヤード飛ぶ」とPW(44度)と52度の距離の間を埋めた48度のギャップウェッジだった。だが、ここで疑問が。原が使うアイアンは『ミズノJPX921ツアー』、ウェッジは『キャロウェイJAWS FORGED』。そのどちらでもない『ミズノプロ225』が選ばれている。

そもそも、なぜギャップウェッジを入れることにしたのか。話は今年の6月までさかのぼる。

元々セミグースネック(シャフトに対してフェースが後ろにある)の『JPX921ホットメタル』アイアンを使用していたこともあって、グースネックの見た目が好きな原。そういったこともあって今年から使用しているストレートネックの『JPX921ツアー』も、ややロフトを立ててグースネックに見えるようにしている。PWのリアルロフトは44度。ウェッジは52度と58度。その分、ウェッジとの差も開いていた。

飛ばし屋の原にとって、100ヤード前後のクラブは使用する機会も多くスコアを作る生命線。渋野日向子のようにアイアンのPWを抜いてウェッジを4本入れる方法もあるが、原はアイアンからの流れを大事にした。ツアー担当・笠原一成氏は言う。「ギャップウェッジまではフルショットをするクラブなので、ウェッジではなくアイアンからのつながりで打てるようにしようと話していました」。そこで試行錯誤のすえに「宮里藍 サントリーレディス」から『ミズノJPX921ツアー』のギャップウェッジを投入する。

だが、投入当初こそ良い感じだったものの、なかなかバッチリとハマってこない。一方で7月に新たにツアーに展開されたミズノプロの新シリーズ『225』をテストしたものの、これも投入には至らなかった。結果、細かい調整をしながらやりくりしていく。

流れが変わったのは前々週の伊藤園レディス。今年は寒い時期になってきてもアイアンの飛距離が昨年ほど落ちていないことから、テストしてみて感触の良かったミズノプロのマッスルバック『221』をバッグインする。しかし、この『221』にはギャップウェッジがない。そこで間を埋めるクラブとして、見た目も似ている『225』に白羽の矢が立った。

この伊藤園の時はソールを削りすぎたことで、抜けが良すぎてしまったためエリエールの週に新たに削っていないものをテスト。「48度はうまく110ヤードの距離が出なくて、すごくロフトを立てたりもしたけど、強かったりイメージ通りの球が打てなかった。110ヤードの距離がなかった。以前の48度は102ヤードになっていたんですけど、今回はしっかり110ヤード飛ぶので替えました」。アイアンは『ミズノJPX921ツアー』に戻したが、狙い通りの距離を打てる『225』は残留が決定。こうしてJPXとミズノプロの“コンボ”が出来上がったのだ。

だが、アイアンからの流れとして違和感はないのか。原は否定する。「少しグースが入っているので、ウェッジとしては良いですし、違和感ないです」。こちらもロフトを本来の50度から48度に立てており、グースチックな見た目も問題なし。さらに『225』は8番よりも下の番手は軟鉄鍛造で手に伝わる感触も似通っているという。

様々な試行錯誤を経て、ようやく埋まった理想の距離を打つ番手。今回の件だけでなく、笠原氏は原のギアへのこだわりを口にする。「女子プロのなかでもトップクラスに探求心が強いタイプだと思います。実は女子オープンを勝った翌週もアイアンのソールを削りました。少しでもいいものを、というこだわりはすごいものがありますね」。本当に細かい調整を経て出来上がったのが、この『225』なのだ。

このギリギリ間に合った1本は連覇のかかる最終戦でも大いに役立ちそうだ。「今週もかなり使う場面が多いと思います」。最高の締めくくりへ、至高の一振りで今季メジャー3勝目をつかみ取る。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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