<大王製紙エリールレディスオープン 初日◇18日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6545ヤード・パー71>
最後の最後で出た「きょうイチ」のショットで自信を深めた。今季最終戦を迎える渋野日向子は、2アンダーで終えた初日のラウンドについて、「最後は持ち直してやり切れた」と評した。
確かに“持ち直した”という印象は大きい。10番からスタートし、序盤4ホールはパーを並べたが、その内容は不安定なものといえた。ショット、特にアイアンが右に出て、グリーンをとらえることができない。「3ホール連続(12、13、14番)で、8番アイアンのショットが右に抜けてパーオンできず、それが悔しかった」。12番、13番はアプローチに助けられパーを拾ったが、14番はバンカーショットが4メートルオーバーしボギーに。「いいゴルフをしたいと思ってスタートしたけど、11番のパー5で獲れなかったり、途中まで気持ち的に落ちていました」と苦しい時間を過ごしていた。
そんな流れを変えたのが16番パー3だった。ユーティリティで打ったティショットをピン30センチにピタリとつけて、ギャラリーを盛り上げた。この反応を聞いて笑顔も弾ける。右へのミスの修正を試みていた渋野にとって、「あそこで切り替えることができた。いい印象を持って次のホールのティショット、セカンドに臨めた」と“開眼”への一打になった。
序盤のミスについては、ショット時の体の向きに原因を求める。「左を向きすぎていた。そのなかで右ピンを狙うと、(左を向いているため)体が反応して右に出てしまっていた」。左を向いていたことで、余計に右に打つ意識が働き、それが結果としてミスとしてあらわれた。本人は「なかなか修正できなかった」と話したが、中盤以降、格段にショットの安定感は増していった。
この体の向きに関しては、ショットの安定を欠いた時には渋野が反省点として挙げ、ラウンド後の練習場で真っ先に取り組むポイントでもある。これまではそのまま立て直せずスコアを落とすことも少なくなかったが、今回はラウンド中にその問題を克服した。「(これまでと)同じミスをすると、自分のミスの傾向がデータとして出てくる。それで以前よりは『左に向いているんだな』とかが分かるようになってきた。それで試合中になんとか修正できるようになっていると思います」。こういう部分にも、23歳の変化が見てとれる。
そして、この流れから“きょうイチ”のショットが生まれることになる。ピンまで残り60ヤードの3打目を58度のウェッジで打つと、これがピン奥に着弾。そのままバックスピンで戻り、手前1メートル弱についた。そのショットで、グリーン周りのギャラリーからは『入れ!』 という声が挙がり、大拍手を引き出す。「あの距離で、そこまで戻るとは思わなかった。でもキャリーは思っていた通り。練習の成果が出ました」。納得のバーディで締めくくり、きっちりアンダーパーでまとめあげた。
「あしたはパーオン率も上げていきたいし、バーディももう少し増やしたい。今やっていることをやりきって、まずは予選通過ができるように」。今大会終了後に臨む、12月2日からの米ツアー最終予選会のことを考えても、この日みせた“修正力”は大きな意味を持つはずだ。(文・間宮輝憲)
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