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日本一の飛ばし屋・幡地隆寛は覚醒間近 “弱点”を変えたベテランのアドバイス

<三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日◇14日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

今季のドライビングディスタンス313.42ヤードで部門1位。2019年は2位ながら315.3ヤードと日本人歴代最高の数字を残した幡地隆寛。「日本人には負けたことがない」と自他ともに認める、日本一の飛ばし屋だ。「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、最後まで優勝争いに絡み、キャリアハイの4位タイに入った。その潜在能力の高さは誰もが認めるところだが、才能開花が近そうだ。

最終日、首位の谷原秀人を2打差で追った幡地。強風の難コンディションの中、1番、2番で連続バーディといい滑り出しを見せたが、「ティショットのちょっとしたミスからボギーが重なっちゃって…」と4番から4つのボギーで後退。それでも後半は粘りを見せて、16番パー4でバーディを奪うと2打差に詰め寄る。17番パー3は不運もあって砂地からのアプローチを寄せられずにボギーで万事休す。18番パー5は、2打目を池に入れながら、ウォーターショットでギャラリーを沸かせ、バーディ締めと存在感を見せた。

自身初の最終日最終組でのプレーだったが、雰囲気に呑まれることなく、最後まで優勝戦線に食らいついていた。「前半のミスが何なのかを探したい。最後のほうはいい感じに戻ってきたんですけど、運が足りなかったというか、ほんのちょっとの差で違うゴルフができたと思う。そこがちょっと悔しかったですね」。予選ラウンドは首位タイを守り、3日目を終えても2位タイと4日間ひと桁順位は初めての経験。「今週に限っていえば本当にいいパッティングができましたし、(広いとはいえない)このコースでずっと上位でやれたのはショットの精度が上がってきている」と手ごたえもある。

今年6月、精度向上のためスイング改造に取り組んだ。得意クラブであり、スイングの指標となるのがドライバー。188センチの長身の影響もあってもともと入射角1度程度のダウンブローだったものを、1度程度アッパーへと変更した。ほとんどレベルブローといえる。アッパー軌道で振るために、「シャローイングのような感じです」。ダウンスイングで少しクラブを寝かせる動きを入れて、そのぶん体の回転量も増やしている。また、アッパーで振りやすくするために道具も変更。タイトリスト『TSi4』とヘッド体積430程度の小ぶりなヘッドから、『TSi2』とヘッド体積460の直進安定性の高いモノにして、ロフト角10度から8度に立て、シャフトも0.25インチ伸ばした。「ドライバーがいいイメージで振れると他のクラブのイメージもよくなる」とショットの安定感が増したことで、初の賞金シード権を手にすることができた。

ショットの手応えに加えて大きかったのがパッティングだ。今季の平均パット数は1.8048(83位)だが、大会4日間の平均パット数は1.7021(4位)とグリーン上が冴えた。ウィークポイントの改善はベテランのアドバイスが効いた。前週の「マイナビABCチャンピオンシップ」のときに、矢野東から「方向ばっかり気にしすぎて、まったくタッチが合ってないよ」と指摘され、腑に落ちた。

今まではショートパットは方向性を重視していたが、御殿場に入ってからはどんな距離でも30〜40センチオーバーで打つ練習を開始した。「ショートパットもタッチが大事。タッチを意識すると入るラインも見えてきます。タッチが合っているとストロークを意識しなくても、方向性がよくなるんです」。練習ではジャストタッチもNGにして、30〜40センチオーバーだけをOKとシビア。試合中はジャストタッチインも50センチオーバーもOKだが、基本的には練習と同じように30〜40センチオーバーのルールを守った。

勝負には負けたが、谷原や金谷を30ヤード以上アウトドライブしたり、長いホールでもショートアイアンで打てる能力は、あらためて大器の片りんを見せつけた。同郷・広島で東北福祉大の先輩でもある谷原秀人の優勝するゴルフを間近で見て、「自分がやらなきゃいけないことが見つかった気がします」。次のチャンスに向けて新たな準備に入る。(文・小高拓)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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