<マイナビABCチャンピオンシップ 2日目◇5日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217ヤード・パー72>
「奇跡でございます」。一時は予選通過圏外のトータル3オーバーまで落ちた藤田寛之が、バックナインで3連続バーディを奪うなどトータル1アンダー・56位タイにカムバック。カットラインギリギリで予選通過を果たした。
藤田は今年の6月で52歳になった。現役の賞金シード選手のなかでは最年長。23季連続シードは、片山晋呉と並んで現役最長となっている。しかし、今季ここまでの賞金ランキングは66位。同56位のジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)の海外獲得賞金は、国内男子ツアーに15試合以上出ないと加算されないため、現状では66位までが賞金シード圏内。藤田はいままさに崖っぷちのライン上にいて、24季連続賞金シードは微妙な状況にある。
それだけにこの予選通過は大きい。今季の残り3試合も予選通過さえできれば、賞金シードは確保できそうだ。
「今までシードが危ないと思ったことがない」藤田が、「今年はちょっと無理なんじゃないか」と弱気になっているのは、ショットの不調に原因がある。「自分のなかでスイングを壊したと思っていて、左に飛ぶのが嫌だと思いながら打っているように見えるはずなんです。左に曲がる残像がどうしても消えなくて、それが直らないんですよね」。
今年のオフから出始めたスイングの狂いが、ここにきても解決できない。師匠の芹澤信雄にもたびたびアドバイスをもらっているが、「自分のなかのイメージが取れない。いつもだったら、ある程度時間が経てば修正されるんですけど、まったく修正されないので」と今回は根が深い。
ショットの不調はバーディ数とボギー数にも表れている。「まだシーズンは終わってないですけど、いつもは230個のバーディに対して、ボギーは170〜180個くらい。それが今季はバーディ数が180個くらいで、ボギー数が230個くらいと数字が逆転しているんです。自分の計算だと1試合で4打、1日1打違う。ほぼショットが原因だと思っています」。
そんな調子のなかで現役最長の24季連続シードへのこだわりについて聞かれると、「シーズンの前半はこだわって1年でも長くやりたいつもりでスタートしましたけど、23年もやっていれば、自分の感じている現実はわかる。通用するかしないかのラインがあって、自分は残念ながら通用しない側なんです。これだけのミスをしていれば、レベルの高い世界では残れない。なんかね、半分諦めも多少入ってきています」と胸の内を話した。
52歳でも20代の選手たちと競い合えるのがゴルフの魅力でもある。「だってこれが陸上の短距離だったら、もうとっくにいないですよ」と藤田。前週の試合では、一緒に回った西山大広(23歳)のキャディは父親だった。「年を聞いたら一個上でした。おかしくないですか? 『よく頑張っていると思います』とお父さんに言われて、余計言葉が重いです」と笑いを誘う。
賞金シードを落としても、『生涯獲得賞金ランキング上位25位以内』の資格で来季は出場できるが、12月に行われるファイナルQTに出ることも視野に入れている。しかしながら、「この年になると、お前はそこまでガチガチにやるのかって正直思う」という気持ちも。最後は「もうちょっと頑張りまーす」と明るい笑顔で去っていった。
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