<マイナビABCチャンピオンシップ 事前情報◇2日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217ヤード・パー72>
前週の「ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ ツアートーナメント」で初優勝を挙げた池村寛世(ともよ)。実は大会2日目の朝の練習場では、ドライバーのチーピンを連発していた。隣の打席で打っていた同じ九州出身の小田孔明が、それを見かねてアドバイス。いったいどんな言葉をかけたのか、電話取材を行った。
「寛世は俺と同じでヘッドの芯より先っぽに当たってチーピンが出るタイプ。だからネックで構えてネックに当てるイメージで打てって言ったんです。そうしたら芯に当たって真っすぐにしか行かなくなった。もともと俺もそうやって直ったから、それをそのまま教えてあげました」と小田は話す。
池村本人にも確かめると、「孔明さんに教えてもらって、ヒールで構えて打ったら良くなりました。ちょっと(左が)イヤなホールは、そこを意識しながら回りました。おかげで左に行くミスはなかったかな。孔明さんのアドバイスで自信がついたというのはありましたね」と、小田の即効レッスンが優勝という最高の結果を生んだ要因の1つとなった。
しかも、この話にはオチがある。小田が教えたときに「ここからの試合は(賞金の)全部10%な」と冗談で言うと、池村は「今週だったらいいですよ」と返していたのだ。「気づいたら優勝していた。優勝賞金の10%は160万ですよ。教えた本人は予選落ちなのに」と小田は笑う。
前週は池村の彼女の坂口琴音さんが4日間キャディを務めたことでも話題になった。今週はプロキャディが担ぐため、彼女は近くにいない。それでも身近に感じるアイテムがある。池村が愛用するボールには坂口さんが描いたイラストがプリントされているのだ。そこには両手をサムズアップした笑顔の池村がいる。
「このイラストは今年からですね。自分の好きなデザインをボールに入れられるんだよねって話をしたら、『私、描きたい』と言って描いてくれました。自分がプレーでイライラしたときには、これを見て落ち着くというのはありますね。頑張ろうと思える」
先輩や彼女の愛を感じながら、13フィートを超えるツアー屈指の高速グリーン、ABCゴルフ倶楽部での2週連続優勝に挑む。
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