<ANAオープン 初日◇16日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7063ヤード・パー72>
「関東大会で勝てたけど、全国優勝はまだなので。みんなそこに向かって一生懸命頑張っています」。トーナメント会場でも、つい“監督の顔”を覗かせる。初日に7バーディ・1ダブルボギーの「67」をマークした阿部裕樹は、ツアープロとして戦う現役のゴルフ部監督だ。
1989年生まれで栃木県出身。佐野日大高校に進学し、現在は母校のゴルフ部監督をつとめている。学校近くのゴルフ部寮で家族、学生たちとひとつ屋根の下で生活。部員たちと練習や合宿を行いながら、ツアープロとしての道を目指してきた。
2010年にプロ転向を果たしたが、なかなかツアー出場の機会には恵まれず。2020年の特別QTで6位に入って、今季はレギュラーツアーに9試合出場。「日本ゴルフツアー選手権」で8位タイに入るなど、賞金ランクは現在63位。来季の賞金シードも狙えるところまで来た。
大事なシーズン終盤戦へ、学生たちからの激励を背に乗り込んできた…かと思いきや、「ボクに気を使ってくれているみたいで、なにも言わないんですよ。優勝したら、言ってくれるかな」と苦笑い。口には出さないだけで、身近なツアープロの存在は学生たちに大きな影響を与えている。5月に栃木で行われた「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では、部員がコースでプレーを見守った。「すごく刺激を受けたみたいで、その後の関東大会で優勝できた。来年の全国優勝に向けて、すごく頑張っています」と、阿部監督がうれしそうに笑う。
「高校生なのでまだ難しいと思いますが、どうやってボギーを打たないかを3年間でしっかり教えたい。大学生やプロになって、『監督がこんなことを言っていたな』と、ちょっとでも思い出してもらえたら」。戦う監督の背中は、部員たちにとってこれ以上ない手本になる。(文・谷口愛純)
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