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待ちに待った復活か? トップ10浮上のイ・ボミはショットにひらめき「これで行こう」

<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 2日目◇10日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6680ヤード・パー72>

2013年大会覇者のイ・ボミ(韓国)が予選2日目に7つのバーディを奪取。ボギーが二つあったものの5つスコアを伸ばし、2日間トータル4アンダーとして59位タイから10位タイに大きくジャンプアップした。ボミがトップ10の順位で決勝に進むのは、昨年11月の「伊藤園レディス」以来。トップと4打差、久しぶりの好位置に、笑顔もこぼれた。

「初日は悪かったのですが、ラウンド後に練習場で調整しました。最近、スベリ当たりが多くて、それを気をつけました」

いわゆるコスリ球のスライスが出ていたのだが、どう気をつけたのかというと「練習場でみんなが打っている姿を“いい球を打っているなぁ”って、背中のほうから見ていたら気がついたんです。みんな、頭をしっかり残していました。私は回りすぎていて、頭が突っ込んでいました。それで私も頭をしっかり残すように打ったら、いい球がたくさん出て。これで行こうと思いました」とのこと。その発見は、いかにも素直な性格のボミらしいものだった。

17年に調子を崩しはじめ、18年には賞金ランキングを83位にまで落とした。15、16年と2年連続で賞金女王を獲得したボミの不調は、誰もが目を疑った。19年は賞金ランキングを21位にまで上げたが、優勝を遂げたのは17年の「CAT Ladies」が最後だ。次から次へとコーチを替えて不調からの脱出を図ったが、コース内でボミに本気の笑顔が戻ることはなかなかなかった。

だが、ようやく「続けていきたいと思うものがほしかったけど、今まで見つかりませんでした。それがようやく見つかり、これで行けるかなって思います」と笑顔で話した。プロレベルのさまざまな試行錯誤を経て、ようやく見つけた一つの答え。「頭を残す」といういかにも単純なポイントなのだが、われわれアマチュアにも大いに参考になる答えなのではないだろうか。本来ゴルフは、目の前にあるボールをクラブで前に打つという単純な競技なのだから。

15年に年間7勝を挙げたボミの美しくも強いスイングが再び見られる日は近いだろう。13年大会は悪天候により3日間に短縮されていたこともあり、「4日間プレーして優勝したい」と口ぶりも軽やか。残り2日間、ボミのラウンドに注目して、復活を祈りたい。(文・河合昌浩)

<ゴルフ情報ALBA.Net>