<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 事前情報◇25日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7210ヤード・パー72>
例年の猛暑が“名物”の芥屋ゴルフ倶楽部。雨上がりのむしっとした暑さのなかスタートしたプロアマ戦で、男子プロたちが珍しくショートパンツを着用していた。
国内男子ツアーのプロアマで 、プロ選手の“短パン”着用が認められるのは今回が初めて。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の規定上、短パンでのプレーはNG。2017年から主催者や開催コースの同意が得られた夏場の数試合で、練習ラウンドのみショートパンツが許可されていた。
「プロアマをまさか短パンでできるとは、僕たちからしたら“おお!”と。足の疲れも全然違いますし、プロアマでゲストの方との距離も縮まりやすい気がします」と言ったのは、短パン推進派の石川遼。かつて選手会長を務めていたとき、本大会の主催者が本戦での着用を提案していたが、世界主要ツアーで認められていないことなどを理由にJGTOで却下されていた。
「話題になるし、“だったら世界で一番最初に!”って思ったんですけど、ダメでした。賛否両論あっていいんじゃないかと思います」(石川)。
2019年には、南アフリカで行われた欧州男子ツアー「アルフレッド・ダンヒル選手権」で本戦での着用が許可された。日中の気温が40度近くまで上がることを鑑みての対応だった。米国男子ツアーでも練習ラウンドやプロアマでは緩和されているものの、本戦での着用はまだ禁止。日本ツアーの選手会にあたる“プレーヤー・アドバイザリー・カウンシル”(諮問委員会)でも何度か議題にかけられているが、投票の結果、まだゴーサインは出ていないという。
クラブハウス、レストランの出入りの際のジャケット着用など、ドレスコードが厳しいコースもまだ多い。「あまりにも見苦しいってなったら、僕たちもショックを受けると思いますけど(笑)、だったら長ズボンに戻して。コースによって色々なルールもあるので、慎重に、実現したらいいですよね」。
今では日本ツアーで当たり前になったキャディなしのセルフプレーも、もともとコロナ禍以前は禁止。PGAツアーでは、プレースピードへの配慮と『最高レベルのゲームを行うため』と格式を重んじることからコロナ禍でも原則禁止だった。セルフプレーに関してはコロナ禍という必須の条件があったとはいえ、時勢や合理性に合わせて伝統を変えていく部分も必要かもしれない。
世界中で長年議論されてきた“短パン問題”。本戦での短パン解禁の話題をさらうツアーは、果たして?(文・谷口愛純)
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