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小樽名物・難攻不落のパー4がときにパー5に! 女子ツアー初の試みに塩谷育代は「世界に通用する選手を」

<ニトリレディス 事前情報◇25日◇小樽カントリー倶楽部(北海道)◇6775ヤード・パー72/パー73>

39試合ある国内女子ツアーのなかでも屈指の難コースと呼ばれるのが今大会の舞台・小樽カントリー倶楽部。そのなかでも最大の難所となっているのが16番ホール(パー4)。447ヤードと距離が長く、2打目でピンを狙う選手には池が、レイアップして3打目で寄せようとする選手にはフェアウェイ真ん中にそびえる1本の木が行く手を阻む。小樽が開催コースとなった15年から、パー4ながらもバーディ賞が設定されており、その難しさがうかがえる。

そんな名物ホールに今年手が加えられた。ティイングエリアを二カ所用意して、日によってパー4とパー5を使い分けるというのである。

今大会のセッティング担当を務める塩谷育代はいう。「この大会のコースセッティングをして3年目ですが、16番というのは非常にタフなホール。距離が長く、風向き、グリーン形状を踏まえてピンポジションを決めるにあたり毎年非常に悩んでいました」。セカンドが池越えと考えると、ピンを切る位置が限られてしまう悩みがあった。

そこで今回ティを移してパー4とパー5を使い分けることでその悩みを解消しようと試みた。「パー5にして80ヤード後ろのティを使ったときには厳しいピンポジション、パー4のときは風向きにもよるがパー5との差を思い切って出したい」と意図を明かす。

またこんな狙いも。「昨今アメリカのツアーでも日によって大きくティエリアを変えていたり、コンパクションが硬くなっていたり、選手の対応力を試しているセッティング多い。私たちの使命は世界に通用する選手を育てるというのがありますから、対応力という意味でも今回のパー4、パー5というかたちとなりました」。海外メジャーで戦える選手を作るという目的も含んでいる。

一方で『16番の面白みが半減するのでは?』という質問も飛んだ。これに対して塩谷は18ホールで考えてほしい、という。

「ゴルフコースというのは18ホールあります。そのなかで16番をパー5としたときには、違うホールでの難しさを作ろうと考えています。今まで16番では雨が降ったときに技術を出し切れない気象状況などでもったいないと思うこともありました。最初からパー5を設定しておくというのは逃げ道ではないですが、1ホールでいろいろな攻め方があると、見る側が考えてもらえたらありがたいです」

小樽らしさ、ともいうべき難易度は変わらないと続ける。「小樽カントリーというのは選手たちが感じているように一年間のツアーのなかでも難しい、洋芝と風と日ごろのコースメンテナンスが素晴らしいコース。その技術を出せる体制が整っているので、パー5になることによって優しくなるとは考えていません」と断言した。

16年大会の申ジエの神業のようなアプローチなど様々なドラマを生んできた名物ホール。今年はどんな名場面が生まれるのか。

<ゴルフ情報ALBA.Net>