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賞金ランキングトップ2の激闘はこれで1勝1敗 小祝さくら、ライバル・稲見萌寧に「私も頑張らないと女王は厳しい」

<CAT Ladies 最終日◇22日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

「できると思っていなかった。すごくびっくりした」。小祝さくらは2週連続となった優勝会見で率直な気持ちを話した。それもそのはず、自分を大きくリードしていたのは東京五輪で銀メダリストを獲るほどの実力者・稲見萌寧だったのだから。

強風が吹き、大荒れの展開となった最終日。多くの選手がスコアを落とすなか、最後の優勝争いは賞金ランキング1位の小祝、同2位につける稲見との一騎打ちの様相を呈してきた。

圧倒的に有利なのは稲見のほうだった。ハーフターンした時点で2位とは3打差、小祝とは5打も差がついていた。だが、稲見は9番から折り返しての12番まで4連続ボギーを喫する。一方の小祝は13番、15番とボギーを叩きながらも「調子が良かった。助けられた」というアイアンショットを生かして2度のバウンスバック。「ズルズル行ってしまった」という稲見とは対照的に踏ん張った。

明暗が分かれたのは18番。しっかり獲りたいパー5だ。ここで小祝は残り85ヤードの3打目を58度で約1メートルにピタリ。これを沈めてバーディとして、さらにスコアを落としていた稲見を抜き単独首位に立つ。一方の稲見はこのホールボギー。優勝はおろか単独2位の座も明け渡した。

稲見が18番のプレー中、小祝は「プレーオフになると思いながら、気は抜かないようにしよう」と待っていた。この二人、今年4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でプレーオフを戦い、そのときは稲見に軍配が上がっていた。ちなみに、稲見はその勝利で2週連続Vを達成した。

それだけに小祝も思うところがあった。「プレーオフになったら、自分はかなりいいプレーをしないと勝てないと思っていました。自信があるわけじゃなかったのですが、ポジティブに考えようと思っていました」。リベンジと重圧。二つが入り混じっていたが、結局19ホール目突入はならず。“直接対決”という意味ではこれで1勝1敗となった。

この勝利で賞金1080万円を獲得。ランキング2位の稲見とは約1900万円差に広がったが、賞金女王を狙う小祝に慢心はない。「やっぱり(稲見は)強いなぁと思っています。先週自分が優勝しましたが、萌寧ちゃんはちゃんと上位にいて安定感がある。萌寧ちゃんの成績や実力を見て“頑張らないと女王は厳しい”と考えさせられている」と刺激を受けている。

後半戦に入り、さらに白熱してきた賞金女王争い。この2人から今後も目が離せない。

<ゴルフ情報ALBA.Net>