動作解析の権威にして、パッティング解析に情熱を注ぐ日本獣医生命科学大学の濱部浩一教授が、パットが入る“絶対法則”を現在発売中のゴルフ雑誌ALBA825号で語っている。ここではその一部を紹介しよう。
まず驚かされたのは、「パターのヘッドは浮かせて構えるべし」という説。濱部教授によると「一般的にヘッドは低く動かせと言われますが、実験ではヘッドを地面から0.9〜1.5センチに浮かせてインパクトしたとき、順回転のいいコロがりになりました」という。
その高さの目安としてちょうどいいのが、直径約1センチの単4電池。練習するときにボールの手前に単4電池を置き、電池に触れないように打てればOK。もちろん上を通過しすぎて芯に当たらないのもNGだ。
東京五輪で金メダルの期待のかかる松山英樹は、パッティングをする際、地面をトン、トンと何度か叩いた後テークバックに入る。これをやると、ヘッドを浮かせて打ちやすいので、試してみたい。
次にタッチがつかめない人には「目とボールの距離を10センチ近づける」という説がおすすめだ。濱部教授は「身長180センチと160センチの人を比べると、低い人のほうが12〜15%ボールが大きく見えます」というが、その効果は体をかがめた場合も同じ。また、ストローク半径も小さくなるため、再現性が増すという。
身長181センチの松山を例に見ると、構えたときの目とボールとの距離は115センチで、ほぼドライバー(45インチ)と同じ長さだ。実際にドライバーの長さを目線の高さにして構えてみると、結構前傾が強いことが分かるはず。パッティングでミスヒットしてタッチが合わない、という人は前傾を深くして、目とボールの距離を近づけ、“小さく構える”ことを試してみよう。
ちなみに身長185センチのタイガー・ウッズ(米国)の目とボールとの距離は130センチで、松山に比べると大きく構えている。東京五輪では世界各国の選手たちがどんな構えで打っているのか、注目してみても面白いかもしれない。
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