<ダンロップ・スリクソン福島オープン 3日目◇26日◇グランディ那須白河GC(福島県)◇6961ヤード・パー72>
「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の3日目に、「松山英樹ジュニアインビテーション」を実施。子供たちにスポーツに興味を持ってもらおうと2015年大会から始まったイベントが、今年も福島で行われた。
集まったのは、小中高校生までの20人。主催の松山英樹と直接対面することは叶わなかったが、ビデオメッセージで登場。「コロナの影響で日本でプレーすることがなかなか出来ませんが、その分アメリカで頑張って良いプレーを見せられたらうれしいです」と、子供たちにメッセージを送った。
松山からバトンを引き継ぎ子供たちへの講演を行ったのは、日本のレジェンド中嶋常幸。マスターズには11度の出場を誇り、松山の「マスターズ」優勝の際にテレビ解説を務め、快挙達成の瞬間は解説席で涙を流して喜んだ。
「なんであれだけ感動したのか。それは、松山選手がサンデーバックナインであれだけ苦しみながら勝ったから」と、子供たちに語るのは優勝争いの苦しさ。ジャック・ニクラス(米国)が大逆転優勝した1986年大会では、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)、セベ・バレステロス(スペイン)とともに優勝争いに加わった。「マスターズでの優勝争いの苦しさを経験しているから、(松山の気持ちが)とてもよく分かる。息も出来ないほど苦しくなる」と振り返る。
「自分で力をコントロールできなくなる」。かつての自身と重ねたのは、松山の最終日の15番。5打差をつけて首位に立っていたが、2オンを狙った残り235ヤードの2打目がグリーンをオーバーして下り傾斜に乗り、16番ホールの池に入ってボギーを叩いた。「それを乗り越えるためには、決して妥協しないこと。もし5打差で勝っていたら、放送席では泣かなかった」と涙の理由を明かした。
自身は以前手術した左ヒザの痛みもあり、今年は大会への出場を断念したが、来年の出場への意欲はある。「みなさんにとっても、マスターズ優勝や全米女子オープン優勝は夢ではない、目標なんです。どうか自分の限界を超えてください」と、新しい世代へエールを送った。
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