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松森彩夏の最新クラブセッティング ロフト12度のレディス用ドライバーで高さを出す

170cmの長身から放たれる正確なショットで、ゴルフファンを魅了している松森彩夏。13年にプロテストに合格、15年に初シードを獲得、16年には「富士通レディース」でツアー初優勝と、順調に階段を上ってきた。しかし、左手指の故障をしてからショットに精彩を欠き、17年にシードを落としてしまう。今季に入って復活の兆しが見えてきた松森のクラブセッティングを見てみよう。

松森彩夏の白いドレス姿がまぶしい【写真】

キャディバッグをのぞいてみると、ウッドが3本で、ユーティリティが1本、アイアンは5番からというオーソドックスな組み合わせになっている。ドライバーのスペックに目を向けると、なんとロフトは12度。しかもレディス用のヘッドを使っている。レディスヘッドでロフト12度の意図とは? テーラーメイドのツアーレップ、鵜野晃行氏に話を聞いた。

「リアルロフトも12度です。松森プロはドライバーに限らずボールが上がるタイプではない。しっかり上からボールをとらえることができるので、ドライバーでも少しロフトを立ててしまうんです。その分、弾道が低くなってしまうので、レディス用のヘッドでロフトをつけて対応しています」という。無理にスイングで弾道を高くするのではなく、クラブのロフトで対応するあたり、一般ゴルファーにも参考になりそうだ。

■アイアンは重軟シャフトで弾道の高さを確保

アイアンは『P770』。最新モデルではなく2017年モデルで、すでに3年ほど使用している。一時期、『P760』を試したこともあったが、結局戻している。「P770はヘッドの大きさもからくる安心感、構えたときの感じを気に入っているようです。また、このP770のヘッドはソールにタングステンが入っていて、ボールが上がりやすいんです。P760はヘッドが小さく見えて難しそうに見えると言っていました。ヘッド長はわずか1mmの違いですが、大きさの違いを感じ取れるのはさすがだなと思いました」(鵜野氏)。

アイアンのシャフトはスチールで『NS950 HT』のRフレックスを使用している。ウッドとウェッジのシャフトはSフレックスなのにだ。「Rにしているのは、ドライバーと同様に弾道の低さを解消するためです。ヘッド自体もタングステンが入ったP770で上がりやすくなっていますが、少し重ための軟らかいシャフトでダウンブローに打つことで、しっかりとボールが上がってくれるのです」と鵜野氏は理由を説明してくれた。

米国男子ツアーでは、ウェッジはアイアンよりも軟らかいシャフトを使う選手が多いが、松森は硬いシャフトを使っている。その点に関して鵜野氏は、「実は今のハイ・トゥ ウェッジを使う前、フォーティーンのウェッジを使っていた頃からSシャフトだったのです。一度Rシャフトを試したことがありますが、Sシャフトで慣れていたため距離感が掴めなかった、それでSに戻してしまいました」という。アイアンとウェッジは別物と考えているのだろう。

優勝した16年を最後にシードからも遠ざかっている松森だが、昨年から上田桃子や小祝さくらを指導する辻村明志コーチに教わり、力をつけてきている。今季は開幕から2戦は予選落ちが続いたが、「ニトリレディス」では決勝ラウンドに進出し、44位タイに入った。復活を目指す26歳のプレーに期待したい。

【松森彩夏のクラブセッティングと番手別飛距離】

1W:SIM MAX(Womens) 12度 aG33-5(S) 250y

3W:SIM MAX 15度 aG33-5(S) 220y

5W:SIM MAX 18度 Tour AD IZ-5(S) 210y

5U:SIM MAX 25度 Tour AD HY-65(S) 180y

5I:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 170y

6I:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 160y

7I:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 150y

8I:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 140y

9I:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 130y

PW:P770(2017) N.S.PRO 950GH HT(R) 120y

50度:HI-TOE N.S.PRO 950GH HT(S) 100y

54度:HI-TOE N.S.PRO 950GH HT(S) 90y

58度:HI-TOE N.S.PRO 950GH HT(S) 80y

PT:Spider X

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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