このエントリーをはてなブックマークに追加

復活優勝に追い風 イ・ボミ新兵器最大のメリットは“記憶を消せる”【2020年女子ツアー気になるギア】

開幕の見通しがなかなか立たない国内女子ツアー。“女子プロ”ロスが続く状況ではありますが、逆にいえば今こそ開幕前に矢継ぎ早になだれ込んだギア情報を洗い直ときだ!ということで、気になるギア情報や今季の動向をプロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏に予想してもらった。

今回は復活優勝が待たれるイ・ボミのギア。テストを終えて「全部が最高です!」と語る本間ゴルフ『TR20』と銘打たれたドライバーは3年ぶりの勝利を運んでくれるのか。

――

本間ゴルフ『TR20』は今までの物作りから大きく設計&コンセプトを変えたボミ選手にとってもまったく新しいドライバーです。昨年はホステス大会となった「マスターズGCレディース」で2位、最終戦となったメジャー「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」でも優勝争いのすえに5位となるなど、ツアー後半に長いスランプのトンネルから出口が見えたボミ選手にとって、新しい武器を得たことは非常に大きいと思います。

ドライバーを替える最大のメリットは、何といってもこれまでのドライバーで打ってきた記憶の中のミスショットがリセットされゼロになることです。さらに同モデルの特長はサイドスピンを抑えてエネルギーをボール初速に集約できる性能。フックや、それを嫌がっての右プッシュのマイナスイメージが頭の中から払拭できるので思い切って振り切ることができるので、スイングにも好影響が出るはずです。この2点は活躍に向けてかなりの追い風となるでしょう。

ドライバーに自信が持てると、セカンドショットはもちろんのことパッティングにもポジティブに臨むことができます。もともとアイアンショットとアプローチには定評があったボミ選手にとって、より良いポジションからのセカンドショットが打てることでアプローチやパターにも負担が少なくなり、パターが入らなくてもドライバーショットへの切り替えがスムースに行われるはずです。ゲームの頭としっぽ、つまりドライバーが良くなることでホールをクロージングするパターに集中できることになります。

ドライバーショットはワンラウンドで14回までしか打たないクラブですが、ショットメーカーがひしめく女子ツアーの中では、曲がらないショットが打てる「自信」が必要です。『TR20』がすべてを解決するわけではないのですが、ミスした時の曲がりの範囲が読めることが、ボミ選手にとって本来の武器であるコースマネジメントを発揮する大きな手助けになるはずです。久々に18番グリーンで最高のスマイルを見ることができそうな予感がします。

皆さんもドライバーショットがおおよそ思った方向に飛べば、仮にスコアが平均的でも内容に満足できるはずです。クラブをリフレッシュするということも、前向きにドライバーショットを打つために役に立つはずですよ。

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

<ゴルフ情報ALBA.Net>