独自の目線でPGAツアープロのスイングを研究する植竹希望。今回は、フォローを出した後にヘッドを振り戻すタイガー・ウッズのパッティングについて、たっぷりと語ってもらった。
◇ ◇ ◇高校3年の頃、タイガー・ウッズやローリー・マキロイなど、PGAツアー選手のパッティングを見ていて、気付いたことがあります。それは、フォローを出した後にヘッドを戻す動作を入れていることです。ピン型を使っている選手はほぼ全員、マレット型の選手も、長尺パターを使っている選手も、フォローでヘッドを引いていたんです。「なぜ?」「どうして?」が頭に浮かぶと、納得するまで気が済まない私は、さっそく自分で試してみました。その結果、たどり着いた答えは「体幹を使ってストロークをしているから」です。手先でストロークすると、フォローを出したときにヘッドは戻ってきません。意識して戻そうとしても、うまく戻すことができないんです。一方、腹斜筋(ワキ腹の筋肉)などの大きな筋肉を使うと、フォローでヘッドを引く動作が自然に入ります。体幹を使ってストロークするメリットは、シャフトのしなりを使ってストロークできること。しなり戻りのタイミングでインパクトすると、ボールがつかまってコロがりが良くなります。もちろん方向性も良くなるため、カップインの確率がグンと上がるわけです。この事実に気付いてから、私自身も、フォローでヘッドが自然に戻ってくるようなストロークを心掛けています。とはいえ、いつでもスムーズにできるわけではありません。調子が悪いときは、フォローでヘッドが流れてしまうんです。ただ、ツアー初優勝を挙げた2022年の「KKT杯バンテリンレディス」の映像を見ると、フォローのときにヘッドがかなり戻っていました。このフォローを見るだけでも、当時はパターの調子が良かったことが分かります。フォローで自然にヘッドが戻ってくるストロークが理想ですが、習得のためには、まず意識してヘッドを振り戻す練習から始めるといいかもしれません。ツマ先からツマ先までの短い振り幅で、できるだけ遠くにボールをコロがしてみてください。ポイントは、手先で打たずに、お腹を揺すってヘッドスピードを上げる動き。体幹を使ったストロークで、シャフトのしなりを感じられるようになるはずです。振り戻しはショットにも通じる動きなんです。フィニッシュを取った後、手元を素早くお腹の前辺りに戻して、弾道の行方を確認するシーンを見たことがあると思います。ショットの振り戻しも、体幹を使ってスイングしなければできません。しっかり振りにいったときのPGA選手は、ほぼ全員がこの動きをしていますが、私が覚えている限りでは、セルヒオ・ガルシアやフランチェスコ・モリナリが調子を落としていたときは、できていませんでした。世界のトップ選手でも、スイング中に体幹が抜けてしまうことがあるんです。パッティングの振り戻しと同様に、ショットでも最初は意識してクラブを振り戻す練習をするのがオススメです。フィニッシュを取った後、できるだけスピーディーにクラブを振り戻しましょう。ボールを打った後に一気に振り戻すことを意識していると、体幹に力を入れて振る感覚や、シャフトのしなりを利用して振る感覚が身に付いてきます。スイングがどんどん良くなるはずです。■植竹希望うえたけ・のぞみ/1998年生まれ、東京都出身。独学でスイングを研究するツアー屈指の“スイングオタク”。ジュニア時代にアダム・スコットに「オンリーワンにならないと強くなれない」と言われ、独学で学ぶようになった。2022年「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝。サーフビバレッジ所属。※『アルバトロス・ビュー』936号より抜粋し、加筆・修正しています。
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