8月の「CAT Ladies」でツアー通算2勝目を飾った吉田鈴。再現性の高いそのスイングを、プロコーチの大西翔太が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
【連続写真】ダウンで沈み込んだ後、両足を蹴っても頭が上下動しない 吉田のスイング
◇ ◇ ◇切り返しから沈み込んで、下半身を積極的に使うドローヒッターですね。それでいて前傾角が崩れず、大きくボールを曲げることはほぼありません。一般的に、多くのミスは体が伸び上がることで起こります。ボールにクラブが届かなくなるので、手先でクラブを操作することになる。すると右や左、トップにダフリと、予測できないミスが出てしまいます。吉田プロは前傾角を保つことで、スイングの再現性を高めています。沈み込んでからインパクトにかけては、両足を蹴って地面反力を使っています。ここが飛ばしのポイント。地面を蹴りながらも頭は沈み込み、体が浮かないので、より大きな力が生まれています。フィジカルが強くないとできないことですが、体が小さくても出力を最大限に高め、確実にキャリーを出す要素になっています。左足がピンと伸びるくらい思い切り蹴っても、頭の高さが変わらずインパクト。このイメージを持てば、アマチュアの皆さんも飛距離アップにつながると思います。吉田プロのようにフォローまで耐えるのは難しいので、まずはインパクトまで頭の高さを保つイメージを持ってみてください。体が早めに浮けば、フェース管理が難しくなり、出力も出ません。足を蹴っても上体は浮かさない。これができれば、飛んで曲がらないスイングにつながるでしょう。お腹を丸めるイメージを持つと、上体が浮き上がりにくくなります。そして、キャリーを確実に出す要素がもう一つあります。ダウンスイングではナチュラルなシャローイングの動き(シャフトを寝かせる)が入り、ヘッドが遠いところから下りてきます。女子選手はヘッドを体の近くに通してコントロールするのが定番ですが、吉田プロは男子プロのように体とヘッドの距離を保って、遠くから下ろしています。これによって遠心力が大きくなり、距離を出すことができるのです。前傾角を崩さない再現性の高さに加え、沈み込みから地面反力を使って生み出す大きな出力、さらにシャローイングによってキャリーを伸ばす。小柄ながら飛んで曲がらない吉田プロのスイングは、アマチュアのお手本として抜群だと思います。■吉田 鈴よしだ・りん/2004年生まれ、千葉県出身。2025年はルーキーとして参戦し、メルセデス・ランキング51位。26年前半戦の出場権を獲得した。26年に「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を飾った。さらにツアー2勝目も飾り、今季絶好調。大東建託所属。■解説:大西翔太おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。青木瀬令奈、安田祐香、中村心を指導するツアープロコーチ。プロキャディもこなし、スイング理論や女子ツアーのトレンドに精通。
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