「CPKC女子オープン」で優勝して、米女子ツアー4勝目を飾った山下美夢有。再現性の高い彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
【連続写真】インパクトで左腕とクラブが一直線! 山下のドライバースイング
◇ ◇ ◇初日に「62」を叩き出し、2日目、3日目も60台をマーク、最終日も「66」で回り、終わってみれば2位に9打差をつける完全優勝。本当に強さを感じさせる勝ち方で、素晴らしいプレーを見せてくれました。山下プロの強さの秘訣は、やはりショット力だと思います。以前、「150ヤード以内は2ヤード刻みで打ち分ける」と聞いたことがあり、レベルが違うと感じさせられました。トッププロでも150ヤード先を2ヤードピッチで打ち分けるのは難しく、スピンコントロールに非常に長けていると感じさせます。ヘッドの入れ方、軌道のコントロール、わずかなところでスピン量を調整し、距離感を出す。いずれにしても、相当な練習をこなしてきたことは、容易に想像できます。【体重移動が少なく左右対称スイング】スイングは体重移動が少なく、左右対称的。ドライバーからウェッジまで、どの番手を持っても「やることは変わらない」というくらい再現性が高く、無駄な動きがありません。始動の際には、フェースをややシャットに使いますが、身長150センチと小柄でスイング軌道がフラットになることを考えれば、ボールをつかまえる上では必要な動きと言えるでしょう。インパクトからフォローにかけても下半身がスムーズにターンしていき、回転が止まることなくボールを叩いていきます。後方からフィニッシュをみれば、右足の裏が綺麗に見て、バランスよく立っていることがわかります。【左腕を長く使ってロフト通りに打つ】ショットの再現性、精度を高める上で大切になるのが、ロフト通りのインパクトをすることです。ボールが曲がるアマチュアは、ついついフェースの開閉方向に意識が集中してしまいますが、“潰さず、すくわず”、ロフト通りのインパクトを迎えることができれば、自ずとフェース向きもスクエアになってきます。山下プロはハンドファーストでロフトを極端に立てたり、右手首がヒラ側に折れてロフトが寝たりする動きがありません。左腕を長く使ってロフト通りに打っているため、高弾道のつかまった球が打てるのです。練習では5Wや7W、ロフトのあるFWで、低くティアップしたボールを打ちます。ティアップしてボールだけを打つ、定番の練習ですが、ポイントは毎回同じ高さの弾道を打つこと。ボールを潰したり、すくったりする動きが入れば、高さがバラツキ、フェースの動きも変わってしまいます。【インパクトは左腕とシャフトが一直線が理想】インパクトは左腕とシャフトが一直線になることを意識してください。山下プロのインパクト写真を見れば、まさにその理想的なインパクトの形を作れているはず。ドリルでは、その形をイメージしながら、フォローに向かってクラブをリリースしていきましょう。フォローでヘッドが腰の高さに来るときに、両腕が伸びた状態が作れるように意識してください。毎回同じ位置に、スクエアなフェース向きで、振り抜きを揃えられたら理想的。上体が伸び上がったり、手元が出たりするのは、よくあるミスですが、どちらも正しいリリースができていないのが原因です。リリースのタイミングと出球の高さを意識しながら練習を行いましょう。■山下美夢有やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。2022、23年と2年連続で年間女王を獲得。24年も2勝を挙げたものの、メルセデス・ランキングは竹田麗央に次ぐ2位。25年から米女子ツアーを主戦場とし、「AIG女子オープン」で海外メジャー初優勝を果たした。26年には、「マイヤーLPGAクラシック」「CPKC女子オープン」で優勝を飾っている。花王所属。■解説:南秀樹みなみ・ひでき/プロゴルファーの父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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