長く世界ランキング1位を維持し続けるスコッティ・シェフラー(アメリカ)。世界最強とも称される彼のスイングを、プロコーチ・阿河徹が詳細に分析。アマチュアが参考にしたいポイントを解説してもらった。
【連続写真】浅いコックのままタテに振り下ろす シェフラーの300ヤードスイング
◇ ◇ ◇世界ランキング1位に長期間君臨し続けるスコッティ・シェフラー。しかし、彼のスイングをよく見ると、教科書的な美しさとは異なる要素が随所に見られます。まず目を引くのは、コックの浅さです。いわゆる「ノーコック」に近いほどコックが少なく、リリースも早めなのが特徴です。リリースが早いのは、もともとコックが浅いことが理由だと考えるのが自然でしょう。一般的に、このタイプは方向性に優れる一方で飛距離を出しにくい傾向がありますが、彼は十分な飛距離も兼ね備えている点が驚きです。ダウンスイングではシャフトが立ち、タテ振り気味にクラブを振り下ろしています。トップではオープンフェースの状態からアップライトな軌道で切り返すため、この動きだけを見ると、多くのゴルフスクールでは「修正しましょう」と言われそうなスイングです。ところが、そこに右足を左足カカトへ寄せるクロスモーションのフットワークが加わります。この動きによってスイング軸が保たれ、ヘッドが鋭く走るとともにフェースターンも促されます。タテ振りの切り返しによる「つかまりにくさ」を、このクロスモーションがうまく相殺しているのです。さらに興味深いのは、全体の動きを見ると、体の回転そのものは止まっていないことです。インパクト以降に右足を左足へ寄せる動きは見られるものの、体全体の回転は途切れません。この動きはコックの浅いスイングとの相性が非常によく、スムーズな体の回転につながっているのだと思います。では、なぜ彼は飛距離を出せるのでしょうか。簡潔に言えば、190センチという恵まれた体格と手足の長さが大きな要因だと思います。そのうえで、方向性を担保できるスイングを身につけているからこそ、飛距離と方向性を高いレベルで両立できています。だからこそ、世界トップの強さを発揮し続けられるのでしょう。■スコッティ・シェフラー1996年生まれ、米国出身。名門テキサス大学でエースとして活躍し、2017年の全米オープンではローアマチュアを獲得。18年にプロ転向すると、翌19年には米下部ツアーで2勝を挙げた。22年のマスターズでメジャー初優勝を果たし、24年には初の年間王者に輝く。25年はメジャー2勝を挙げるなど、長期間にわたって世界ランキング1位を維持している。■解説:阿河 徹あが・とおる/1976年生まれ。藤本佳則や塩見好輝ら数多くのツアープロを指導。現在は東京都の井山ゴルフ練習場でアマチュア向けのレッスンを行っている。古今東西のトッププレーヤーのスイングに精通するレッスンプロ。◇ ◇ ◇●森田理香子のドライバ―ショットを詳細分析! 関連記事『ヘッドを“ポン”と置くだけでインパクト効率激変!?……』を読めば、その秘密が分かります。
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