<KPMG全米女子プロ選手権 事前情報◇23日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>父の日に米国女子ツアー3勝目、そして米本土では初勝利を挙げた山下美夢有。優勝スピーチでは、父の日の話題になると目に涙を浮かべながら感謝の言葉を口にしていた。さぞ喜んだだろう。そんな情景も想像してしまうが、「あまり(喜びを)見せないので。おめでとうぐらいの感じでした」。そんな後日談を明かしてくれた。
「父もまさかプレーオフになると思っていなかったので。私自身もそう思っていた」クラブハウスリーダーとして後続のロティ・ウォード(イングランド)を待っていた山下。だが、最終ホールを前にロティが単独首位に浮上し、最終18番パー5は“パー以上は確実”なチャンスホール。さらにスコアを伸ばして逃げ切る、そう考えるのは自然だった。山下も、父・勝臣さんも、ロティが勝つだろうと思っていたそう。望外の勝利とも言えそうだが、山下自身は「ショットが安定していた」と、その内容に大きな手ごたえを感じていた。そして、その背景には新たな気持ちの変化もあった。「気持ちの部分で、うまく切り替えができているので、迷いなく思い通りのショットが打てるようになった」もともと練習が大好きだという山下だが、その一方でショットへの自己採点は厳しい。「悪くない(ショット)のに、評価を下げてしまったり。今年に入ってずっと引きずっていた」と振り返る。「そこも父と話しながら直していった」と、こうしたマインドの変化も父・勝臣さんの支えがあってこそ成り立っている。優勝後は息つく間もなく、その日のうちにミシガン州からミネソタ州へ移動した。「久しぶりの優勝争いだったので、集中力も使った」と話し、月曜日は練習をしながら体力回復にも努めた。今週は今季3試合目のメジャーを迎える。「いつも通りのプレースタイルで、初日にもっとスコアを出して、トップと差が開かないようにしたい」と意気込む。5打差を逆転した先週のような追い上げではなく、初日から主導権を握るゴルフを思い描いた。(文・齊藤啓介)
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