このエントリーをはてなブックマークに追加

LIVゴルフは世界を巡るのか!?【舩越園子コラム】

サウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」からの支援が2026年いっぱいで打ち切られることが決まったLIVゴルフは、2027年以降の生き残りをかけて、試行錯誤を重ねている。

【写真】これが600万円! LIVメンバーの証し“ゴールドメダル”

新たな出資者、支援者を得ることができれば、来季以降の存続は可能になるだろうと言われている。しかし、そんな奇特な出資者が果たして存在するのかどうか。存在するとしても、タイムリーに登場して、手を差し伸べてくれるのかどうか。その可能性は、きわめて低いと見られている中で、「出資者の候補が現れた」という情報が米メディアの間で行き交っている。真偽のほどは定かではなく、「候補」として名乗りを上げている企業・団体が実際にあるとしても、「とりあえず、話だけでも聞いてみるか?」という程度の興味本位にすぎないのかもしれないとも思われている。だが、たとえ興味本位であれ何であれ、わらをもつかむ心境だと想像されるLIVゴルフの首脳陣にとっては、「候補」の登場はビッグチャンスということなのだろう。

スコット・オニールCEOらは、さっそく「候補」に対して、LIVゴルフの今後の事業計画や見通し、魅力などを説明するプレゼンテーションを行なっている様子である。正式発表などは、まだ一切行われていないが、漏れ聞こえてきた話によると、年間の試合数をこれまでの14試合から10試合に減らし、もちろん賞金も現行の1試合3000万ドルを大幅に減額するつもりであることを、「候補」に伝えているという。興味深いと感じさせられたのは、その年間10試合の内訳だ。米国開催は2試合程度にとどめ、それ以外は世界各国で開催してインターナショナル色を強める方針だという点である。そして、今季あるいは昨季にLIVゴルフの大会を開催して大いに盛り上がったオーストラリアや南アにおける成功体験を重視し、そうした国々での開催にプライオリティを置くのだそうだ。

また、米国のゴルフファンや関係者がTV中継を見ることを考慮し、米国との時差が少ないカナダやメキシコなども開催地の候補に挙げられているのだそうだ。こうした国々は、日ごろ、PGAツアーの大会やメジャー大会が開催されない場所であり、トッププレーヤーのゴルフを目の前で見る機会が皆無に近い場所でもある。そうした場所をあえて選んで今後の大会を開催しようとしているLIVゴルフの方針は、例えるなら、これまでサーカスが来たことがない場所にサーカスを持っていこうとしているようなもの。あるいは、お相撲さんがパリなどへ巡業に行くと、初めて力士を間近で眺めた欧米人から、その大きさや俊敏さ、力強さに驚かれるのと似た状況を作り出そうとしていると言うこともできる。とはいえ、力士の海外巡業は、本業の「場所」とは別の追加のエンタテイメントや振興事業みたいなものなのだろうが、LIVゴルフの場合は、世界各国への顔見世興行を本業にしようとしていると言えそうだ。それをLIVゴルフの選手たちがどう感じるのかは、大いに気になるところである。だが、これまではPIFから巨額の支援を得て、大金を湯水のように使い放題だったLIVゴルフが、今はどんなことをしてでも生き残ろうと画策している姿を傍目にすると、それはそれで「頑張れ!」とエールを送りたくもなる。これまでは「虎の威を借るLIVゴルフ」だったが、現在は地に足を付け、自分たちなりの新たなビジネス展開を真剣に考え始めている。たとえ規模を大幅縮小してでも、たとえ世界各国を巡るインターナショナル化を強めてでも、存続を目指そうとしているLIVゴルフ。その意欲にほだされて、「よし!」と手を挙げる出資者候補は、もしかしたら今後も出てくるかもしれないと、今、ほんの少し思い始めている。文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

<ゴルフ情報ALBA Net>

【関連記事】