「Vポイント×SMBCレディス」で通算7勝目を挙げた38歳の笠りつ子。飛距離と方向性を両立する彼女のスイングを、女子プロの中村香織が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
【連続写真】手元を浮かせて構え、両腕のY字を変えずに振り抜く 笠りつ子のドライバースイング
◇ ◇ ◇彼女のスイングで特筆すべきなのは、アドレスで作った腕の三角形とクラブの位置関係が、スイング中ほとんど変わらないことです。腕を中心に作られたY字の形が崩れず、常に体の幅の中でクラブをコントロールしています。これは「楽をしている」というより、非常に合理的なスイングだと感じます。言ってしまえば、アプローチの延長線上でフルスイングしているような感覚です。だからこそ長く活躍できているのでしょう。個人的には、アマチュアの方にもこうしたスイングを目指してほしいと思います。タメもそれほど強くなく、前傾角も最後までほぼ一定に保たれています。ノーコックで振り上げて、左右対称に振っているので、恐ろしくミート率が高い。だから、飛距離と方向性を両立できるのです。また、彼女はハンドアップで構えているのも特徴です。ハンドアップの構えが本人にとって自然で、その構えから今のスイングが生まれているのだと思います。前傾を深くして手元を下げると、クラブは別の方向に動きやすくなります。しかし、ハンドアップで構えることで、手首周りをあまり使わず、オンプレーンに振りやすくなる。ある意味、デシャンボーに近いスイングですね。さらに興味深いのはグリップの力感です。手首をゆるく使おうとし過ぎると、かえってシャフトのしなりを生かせなくなる場合があります。彼女の場合、ウィークグリップでちょうどいい力感で握っているため、シャフトのしなりを使いやすいのだと思います。ウィークグリップの方が、タテのコックが使いやすいですから。実際、アマチュアへのレッスンで「手首を少し固めて握ってみましょう」とアドバイスすると、その瞬間にシャフトがしなり始める方もいます。柔らかいシャフトを試してみることで、自分に合ったグリップの締め具合に気付けることがあります。そして、その感覚が良いテンポで振れるイメージにつながっていくのです。無理に手首を柔らかく使おうとする必要はない――。笠りつ子選手のスイングは、そのことを改めて教えてくれます。38歳にして8勝目も近いかもしれません。■笠りつ子りゅう・りつこ/1987年生まれ、熊本県出身。2016年に2勝を挙げて賞金女王の座を争い、最終的には賞金ランキング3位に入る活躍を見せる。ノーコックのスイングが特徴で、今季「Vポイント×SMBCレディス」で通算7勝目を挙げる。ニトリ所属。■中村香織なかむら・かおり/1986年生まれ、京都府出身。2009年にツアーデビュー。15年に腰の故障でツアーを離れ、3児の子育てをしながらレッスン活動を行い、現在はEAST GOLF SCHOOLを主宰。今年はツアー復帰を目指している。◇ ◇ ◇●古江のスイングを分析! 関連記事「古江彩佳の驚異的な安定感! 秘密は“ノーコック”バックスイングにあった」で詳細が分かります。
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