米国女子ツアーを主戦場にし、国内ツアー通算2勝、海外女子メジャー「全米女子オープン」2勝を誇る笹生優花が、第5回目となるジュニアイベント「YUKA MEET&GREET」を立野クラシックゴルフ倶楽部(千葉県)で開催した。
2022年から続くこのイベントは、「いろんなジュニアの子たちに会ってみたい気持ちと、憧れの選手たちがジュニア向けのイベントをやっていたので、(イベント開催が)私の夢でもありました」という思いから始まった。「ゴルフを一緒に楽しんで、いろんな発見があればいいな」と話し、ときには一緒に笑いながら、ジュニア一人ひとりの声に耳を傾け、真摯に向き合う姿が印象的だった。今回は20人の小学生を対象に実施。パッティングやショットといった技術面に加え、コースマネジメントについてもアドバイスした。特に要望の多かったパッティングでは、真っすぐなストロークを身につける練習方法や距離感のつくり方を紹介。ジュニアの考えを確認しながら、『なぜ、その練習を行うのか』という理由も丁寧に伝えていた。練習打席では、一人ひとりに構え方や体の使い方を示し、必要なトレーニングを実際に行いながら指導した。ジュニアからは技術面だけでなく、「ボギーを打った後の気持ちの切り替え方」や「こういう場面では、どんな考え方をしていますか?」といったメンタル面の質問も多く寄せられた。それぞれの考え方をヒアリングし、「目の前のボールが大事。ルーティンをしっかり作って、それをやることで、プレーに集中できるようになりやすいよ」と自身の経験を交えてアドバイスしていた。ジュニアたちに何よりも願っているのは、「とにかくゴルフを楽しんでほしい」ということだ。その想いから「ネットニュースなどで『メンタルが大事』ってよく出てきますけど、まだ若いですから、あまり深く考えないで、楽しんでプレーすることが大事。10歳、11歳の子が『下手なんです。ちゃんと考えられないです』という発想が出てくるのは良くないと思う」と率直な思いを明かした。年齢を重ねるにつれて、ゴルフは“勝負の世界”へと入っていく。楽しかったゴルフが、苦しいものに変わることもある。自身のジュニア時代を振り返ると「深く考えていないですね。ネットを使い始めたのも遅かったですし、ホントいい環境で育ちました」と楽しくゴルフをしながら技術を磨いてきた。だからこそ、「自信を持ってやりたいことをやればいい」というメッセージをジュニアに伝えている。幼い頃に感じたゴルフの楽しさや純粋な気持ちが、将来へとつながっていく。“楽しんでほしい”という言葉の裏には、そんな思いが込められている。現在はオフシーズンの真っ只中。今季を振り返ると「楽しかったですね。本当に早かったです」と、あっという間の一年だったと話す。今季は18試合に出場し、予選通過は5試合にとどまったが、気持ちは前を向いている。目指すは、昨年の全米女子オープン以来となる勝利。そのためにも、「ケガしないように楽しくゴルフができればいいなと思います」と話した。ジュニアに伝えてきた“楽しむ”という言葉は、笹生自身にとっても大切なテーマとなっている。来季初戦の「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(1月29日〜2月1日/フロリダ州)に向けて、調整に励んでいく。(文・高木彩音)
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