<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日◇16日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>最難関2番で“旗包み”のバーディを奪った竹田麗央に、『ナイスバーディ!』と大きな声援がかけられた。その声の主は兄・有男さん。フロリダで行われているシーズンラスト2試合に帯同し、妹の姿を見守っている。
実はこれ、前日にトランプをして負けた“罰ゲーム”だった。竹田を含めた組の3選手誰かがバーディを取ったら、声援を送るのがその内容。米ツアーは日本ツアーと異なり、ギャラリーも閑散としていて拍手も控えめ。ちょっぴり恥ずかしそうにする兄を尻目に、妹は7つのバーディを奪って「65」をマーク。トータル9アンダー・15位タイで大会を終えた。「声が大きくてちょっとびっくりしました。…そのおかげです(笑)」と妹はにんまり。ちなみに、同組のローズ・チャン(米国)は「66」、ジュリア・ロペス・ラミレス(スペイン)も「67」としっかり伸ばした。声援が後押しした…ということにしておこう。2番では多くの選手がグリーン左にこぼれたところからのリカバリーに苦戦するなか、ピンにキャリーさせるイメージで攻めた。「ピンが奥で、私は手前よりかは打ちやすいなと思っていた。左に落とすのはまずしないようにして、距離もピッタリのクラブだったので、自信を持って打てました」と、8番アイアンで会心の一打をみせた。パーオン率88.9%(16/18)は4日間を通してのベスト。「ショットが安定していた。バーディパットも決まって、一日を通していいゴルフができた」と振り返り、次週の“賞金総額17億円超”の最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」に弾みをつける格好にできた。ただ、欲しかったタイトルは逃すこととなった。山下美夢有との一騎打ち状態だったルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)は、最終戦を待たずして山下の戴冠が決まった。「取りたかったと1年間ずっと思っていた。取れなかったのは悔しい」。声のトーンはいつもと変わらずも、表情は少しだけ曇った。新人賞争いに先手を打ったのは竹田だった。3月「ブルーベイLPGA」で竹田がルーキー優勝。「全米女子オープン」2位、「AIG女子オープン」(全英)4位とポイントを重ねたが、山下が全英を制したことをきっかけに猛追。「クローガー・クイーンシティ選手権」で山下が4位、竹田が38位として逆転され、「メイバンク選手権」での山下の2勝目で差をつけられた。「後半戦でなかなか、自分が上位にいけず、いいプレーができていなかったので、その差かなと思います」。日本ツアーでは年間女王を争い、米ツアーではダブルス戦で“チーム山田”とペアを組むなど、互いを高めあう存在のふたり。「本当にお上手な先輩。安定しているし見習うところもたくさんある。自分も追いつけるように頑張りたいなってすごく思います」と称賛する。そして視線は次週へ。新人賞のタイトルは逃したが、年間女王とも呼ばれる“CMEチャンピオン”の称号がまだ残っている。(文・笠井あかり)
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