元世界ランキング1位でメジャー2勝を含むツアー通算13勝を誇る40歳のステイシー・ルイス(米国)が今季限りで引退を発表。17日、自身のSNSに「クラブを置く時がきた。これがLPGAでの最後のシーズンになる」と思いを綴った。
19回目の出場となる「ウォルマートNWアーカンソー選手権」が開催される米・アーカンソー州は母校・アーカンソー大の地元。その大会を引退発表の舞台に選んだ。「22年前、のアーカンソーのキャンパスにやってきた。そのときはまだ背中の手術から3カ月が経ったばかりで、体を曲げたりひねったりできず、本当にまたゴルフができるのかさえ確信が持てなかった」と当時を振り返る。ルイスはオハイオ州トレド出身。11歳のときに脊椎(背骨)が側方にわん曲する「脊柱側わん症」と診断され、一日に何時間も矯正器具をつけての生活を強いられた。「手術を受けて別人になった。クラブを振れることがとにかくうれしかった。それ以降の私の人生はすべてボーナス。2025年までゴルフを続けてこられるとは夢にも思わなかった。」と難病を克服し、LPGAツアーで活躍した。13年、セントアンドリュース オールドC(スコットランド)で開催された「全英リコー女子オープン」(現AIG女子オープン)を制しメジャー2勝目を挙げ、世界ランキング1位の座に浮上。プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた。16年にはコーチのジェロード・チャドウエル氏と結婚し、18年には第一子となる娘が誕生した。欧州とのチーム戦、「ソルハイムカップ」では米国チームのキャプテンを過去2大会で務め、昨年大会では米国チームを勝利に導いた。「LPGAツアーを離れるのはとてもさみしくなる。これからの数ヶ月でたくさんの人に感謝を伝えたい」。「最後にみんなの声援が聞けるのが待ちきれない」。毎年、同大会17番パー3のスタンドは大学の赤いチームロゴ(ホッグ・猪)で真っ赤。アーカンソー大のアスリートチーム、「レーザーバックス」のファンやサポーターによる声援が飛び交い、米女子ツアーで“最もうるさいホール”とも称されている。最後に、「Go!ホッグス!」とアーカンソー大へのエールも忘れなかった。(文・武川玲子=米国在住)
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