<ツアー選手権 最終日◇24日◇イースト・レイクGC(ジョージア州)◇7440ヤード・パー70>
【画像】フリートウッドの愛用パターは、オデッセイのブレード型が基本だった
PGAツアー最終戦の最終日は、首位タイで出た34歳、トミー・フリートウッド(イングランド)がトータル18アンダーで逃げ切り、悲願の米ツアー初優勝を果たした。フリートウッドはこの勝利で年間王者を戴冠。1000万ドル(約14億6866万円)もの高額賞金をつかみとった。 契約する米国テーラーメイド(TM)も待望の勝利に「トミー・フリートウッドはQi35ドライバー、スパイダーツアーパター、TP5x pixを使ってツアー選手権でフェデックスカップを獲得し、PGAツアー初勝利という壮大な成功を収めました。フェデックスカップが始まって以来、トミーはツアー選手権でPGAツアー初優勝を果たした最初の選手です」と祝福する。
今大会のSG:パッティングは「8.148」で1位。これまでのキャリアで長くL字に近いブレード型だったが、4月に『スパイダーツアー』へ移行。その前は昨年11月からTM製のトラスネックのプロトタイプブレードで、それ以前はオデッセイ『ホワイトホットプロ#3』。TM製プロトパターを経て最終的に『スパイダー』で活躍するのはマキロイやシェフラーらと同じで、切り替えた経緯の詳細を同社がこう明かす。 ■スパイダーツアーに手描きの補助線 「2025 RBCヘリテージの月曜にトミーはSpider ZTとSpider Tour Blackを2時間試し、やや左を向きインパクト時に閉じる癖の修正を試みました。Spider Tourの方がフラットなためアドレス時に両手が低くなり、自然なフェースの開きとストロークの弧を描くことができました。彼はSpider ZTのマイクロミルドアライメントが気に入ったので、パター担当者と定規とシャーピーを使いSpider Tourにも再現しました。
トミーは、この太いラインのおかげでパターを地面に置くことができ、ボールのラインに頼ることなくパットを打つことができると話しました。左右には5本の銀色のシャープペンシルのラインがあり、中央の茶色のラインは伝統的な短いラインのアライメント補助として機能します。これらのラインを全て合わせると、フェース中央での打球がイメージしやすいとトミーは話しました」(米国TM)フリートウッド自身も新パターにこうコメント。「ボールの後ろにラインを合わせるのに役立つ大きなラインを使えるようになったので、ただラインを選んで、それに沿って歩いて、パターをライン上にセットするだけでもう決まり。時々パットの位置に立ってから、しっくりこない感覚でずっと調整し続ける時もあると思いますが、パターのトップに何かを付けると、ルーティンも本当に変わりました」。
■TM製パターが昨季に続いて最多勝 PGAツアーの優勝パターを振り返ると、昨シーズンは7勝したスコッティ・シェフラーの影響もあり、ペア戦を除く46戦15勝と最多だったTM製パター。今シーズンはシェフラーが5勝でも最終戦のフリートウッドの勝利でペア戦を除く今季46戦13勝と、12勝のスコッティ・キャメロンを1勝上回る結果となった。(PING10勝、オデッセイ9勝、L.A.B. GOLF2勝) 優勝パターの形状を見ると、昨シーズンは【マレット30勝/ブレード16勝】だったのに対し、今シーズンは【マレット32勝/ブレード14勝】で、勝ち頭のTM製パターは13勝全てがマレット型だった。そして、今季のブレード型の最多勝はスコッティ・キャメロンが6勝で、次点のPINGが5勝となった。
フリートウッドもシェフラーも、タイガー・ウッズが監修したTM製アイアン『P7TW』を愛用。シェフラーはこのアイアンを2021年1月から使用して飛躍し、今季ふくめ3季連続で「SG:アプローチ・ザ・グリーン」で1位を保持し、フリートウッドもこのランクで今季5位に躍進。また、フリートウッドの『Qi35』ドライバーのシャフト変更について、米国TMは下記のように明かしている。 「彼はトラベラーズ選手権までVentus Red 6Xで、その後、長年愛用したVentus TR Blue 6Xに切り替えました。Ventus Red Velo+はグリップが硬めですが、Ventus TR Blue 6Xは先端が硬め。Blueへの切り替えでトミーはロフトを犠牲にすることなく2400回転までスピンを抑え距離を伸ばすことができ、新しいR7 Quad Miniとの適切なギャップを確保できるようになりました。1Wヘッドのロフトをわずかに高くすることで打ち出し角が上がり、分散も向上しトミーは自然なショットの形であるドローが打ちやすくなりました」(同) なお、下記のように世界ランクトップ10のうち、TM製マレットを使用する選手が4人入っており、その他の選手もマレット型が多く、ブレード型はコリン・モリカワのみとなっている。 【トミー・フリートウッドの使用ギア】1W:テーラーメイドQi35(10.5°Ventus TR Blue 6X 45.25?)2W:テーラーメイドR7 Quad Mini Driver(13.5°)5W:テーラーメイドQi35(18°)9W:テーラーメイドQi10(24°)5I〜PW:テーラーメイドP7TW(Project X 6.5)AW:テーラーメイドHI-TOE 4(52°ATS)S,LW:テーラーメイドMG PROTO(56°SB,60°SB)PT:テーラーメイドSpider Tour BlackBALL:テーラーメイドTP5x Pix 【世界ランクトップ10の使用パター】 ※8/25時点1位 S・シェフラー『Spider Tour X L-neck』(TM)2位 R・マキロイ『Spider Tour X』(TM)3位 X・シャウフェレ『ToulonラスベガスCHプロト』(CW)4位 R・ヘンリー『T5 ツアープロトタイプ』(SC)5位 J・トーマス『Phantom5ツアープロトタイプ』(SC)6位 T・フリートウッド『Spider Tour Black』(TM)7位 J.J.スポーン『DF3』(L.A.B. GOLF)8位 C・モリカワ『TP ハイドロブラストSoto』(TM)9位 R・マッキンタイア『Spider Tour X』(TM)10位 H・イングリッシュ『Scottsdale Hohum』(PING)
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