7日、キャスコ株式会社が都内インドア練習場にて、VATIC GOLFの新製品試打・発表会を行った。発表されたのは、複雑な構造のカーボン製ソールでORIGAMI工学が採用された複合1Wヘッド『Venero(ヴェネーロ)』で、得意の“調節性”をさらに磨き上げていた。
【画像】クセのない“いい顔”!? 『Venero』をボールに対して構えた様子
「フィッティング幅が拡大し、幅広い弾道調整が可能となった『Venero』はクラウンだけでなくソールにもカーボンを使用し、ヘッド全体のカーボン割合を増加。比重の軽いカーボンの採用で重心設計自由度を高め、フィッティング効果を向上。また、ORIGAMI工学を用いた新構造のORIGAMI-Carbon Soleを可能にしました。 ソール部をカーボン素材にして生まれた余剰重量を、フロント側とバック側で重量調整が可能な構造に。フロントウエイトは4種類のウエイトから組み合わせ、1g単位で調整可能。バックウエイトは、2種類のウエイトから選択でき、ヒール・センター・バックの3か所に移動が可能。自分好みにチューンナップ出来ます」(同社)
特許取得の新構造ソールは、宇宙構造物工学、航空宇宙工学が専門の香川大学・勝又暢久准教授との共同研究で誕生。2方向に同期的に変形しやすい折り目形状はインパクトの衝撃でヘッドが2方向に同期的に変形し、フェースとソールの固有振動数が一致。ヘッド全体の反発エネルギーをロスなく伝達でき、新構造有り/無しのロボットテストで、有りヘッドが1.3m/s初速に優れる結果が出たとか。早速、記者も試してみた。
USTマミヤ『The ATTAS V2』(5S)に『Venero』(10.5°)のスタンダード設定から打ち始めると、同社が「やや重心浅め・重心距離も短め」という通りの挙動。200gのヘッドも軽く感じて、投影は安心感があるストレート顔で全くクセがなく、残響の短い中・高音で「バキャッ」と低弾道ストレートドローでMAX255.7ydを記録した。 次に低弾道の改善のため、ウェイト変更を要望して9.5?10.5°に可変。標準5gの緑のバックウェイトを10gの金に変更して深重心化を狙い、フロントウェイト3つも1-1-1g(標準は1-5-1g)にすると、ややヘッドが遅れて中・高弾道フェード傾向になりMAX249.2yd。ゆったり振る人には相性の良さそうな設定だ。
最後につかまり改善のため、バックウェイト位置をヒール寄りに、ライ角も60°に変更。これが記者にベストで、振り心地が最も良く中弾道ストレートドローでMAX257.4ydを記録。ディテクトの高速度カメラで打点の荒れを確認したものの、不思議に弾道に反映されず高さが揃いやすいのも印象的だった。 これが新構造ソールの効果と言えるのかどうかは不明だが、傾向として「浅重心好き」で「スピン量のロスが多い人」は要チェックと言えそう。スリーブ可変しても顔つきが変わりづらく、ウェイト可変の振り心地の変化も小さく感じるフィッティングヘッドだった。(編集部M・K)
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