「AIG女子オープン」で見事メジャー初優勝を果たした山下美夢有。注目したいのが、独特なシャフト選びだ。彼女のセッティングを詳しくレポートする。
【写真】山下のアイアンは芯に打痕がビッシリ! こんなに真ん中に集まるものなの?
◇ ◇ ◇山下は7I?PWに『スリクソン ZXi7』を使用し、シャフトには『DG85 R300』を採用している。女子ツアーで『DG85 R300』を使用するプロは少なく、珍しい選択だ。山下はこのシャフトについて、以前次のように語っている。「これはある程度しなりつつ、しっかりしているイメージがあります。風のときでも球が負けないですし、スピン量が増えすぎることもないので、安定したショットが打てますね」(山下)クラブフィッターの吉川氏は次のように分析する。「やや重めのシャフトを使うことで、方向性重視のセッティングになっています。中調子の『DG85 R300』は振動数がやや低く、ヘッドが遅れて入ることで山下プロのややアッパー気味の軌道を補正してくれる効果があると思います」UT以下の番手では、先端が動かないシャフトでそろえ、比較的つかまりやすいウッドシャフトとは違い、つかまりすぎを抑え、方向性を重視した流れになっている点も特徴だ。また、上からしっかりヘッドを入れてスピンでボールを止められるメリットもある。山下はドライバーには『スリクソン ZXi』(ロフト9度)と『スピーダー NX グリーン 40SR』を採用。女子ツアーで人気の『スピーダー NX グリーン』への信頼も厚い。「今はつかまりのいいモデルの方が好みですね」と山下自身もコメントしている。吉川氏はこのセッティングについても次のように解説する。「『スピーダー NX グリーン』は中調子で、やや先が動いて球が上がりやすいモデル。ヘッドのロフトが9度と少し立っているので、スピン量を抑える狙いもあります。フレックスをSRにすることで、切り返しのときに間が取れる効果があると思います」プロ仕様でありながら、アマチュアでもすぐ使用できるほどの完成度の高いセッティング。安定したスコアメイクの秘密が、ギア選びにも隠されていることがわかる。◇ ◇ ◇人気アイアンの傾向を詳しく解説! 関連記事:【最新アイアン39モデルを診断 売れ筋は“ちょいやさしい軟鉄”の『セミアスリートタイプ』!】もぜひチェック!
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