先週のメジャー大会「AIG女子オープン」(全英女子)を制し、5日に凱旋帰国した女子ゴルフの山下美夢有が、同日、日本記者クラブで会見に臨んだ。ゴルフウェア姿で登場し、約1時間、出席した記者たちからの質問に答えた。
同クラブは1969年11月に、日本新聞協会、日本放送協会、日本民間放送連盟の会長3人が発起人になり設立。海外の大統領や首相、日本の政治家などもここで会見し、ゴルフ界では2019年に全英女子を制した渋野日向子が初めて招待されて以来のこと。この他、スポーツ界では野球のイチロー氏や、大谷翔平といった、日本を代表する“時の人物”が招かれる。そんな伝統ある場所に呼ばれた山下は、「すごい名誉なことでありがたい。私がここに座っているのが不思議な感じ。こうしていただいてありがたい」という感想を話した。ここで全英での優勝争いを振り返ったり、コーチも務める父・勝臣さんへの信頼感などが語られた。その最中、家族の話題になった時には、思わず感情がこみ上げてくる場面も。山下は父、母・有貴さん、弟でプロゴルファーの勝将(まさゆき)、妹・蘭さんの5人家族。勝将を除く4人が山下の戦いを現地で見守った。そのラウンド後には「みんなに支えられてここまで来た」など、何度も感謝の想いを口にしていた。会見でも家族の質問を投げられ、「きょうだいが3人いて、ずっと一緒に練習してきた。私は試合でいないことも多かったけど、弟と妹がサポートしてくれた。迷惑をかけてしまった部分もあった」と話すと、そこで涙がこぼれてきた。その後は「弟と妹は私のことをすごい考えてくれて、一番近くで支えてくれる。今回優勝できて良かったですし、弟にも頑張って欲しい」など、なんとか言葉を振り絞った。会見の最後には、山下が選び、直筆した一言も紹介。それは『夢』という言葉だったのだが、理由について聞かれた時も「小さいころからの夢であったメジャー大会で優勝できた。私の名前は美しい夢が有る。その漢字を選んでくれたのもお父さん、お母さんで、私自身この名前が大好き。こうして目標だったメジャーで優勝できたし、夢を選びました」と、家族のことを思い浮かべた。(文・間宮輝憲)
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