<AIG女子オープン 最終日◇3日◇ロイヤル・ポースコールGC(ウェールズ)◇6748ヤード・パー72>3打差4位で全英の最終日を迎えた勝みなみは、最終日を4バーディ・1ボギーの「69」で回り、トータル9アンダー・2位タイに入った。これは海外メジャーとして自己最高位。うれしさと悔しさを噛みしめながら、米3年目シーズンのメジャー最終戦を終えた。
【写真】勝みなみは参加できなかったけど… 歓喜のシャンパンシャワー
追いかける立場のなか、2番でボギーが先行した。フェアウェイからの2打目が乗らず、寄らず、入らず。「ちょっと流れ悪いな」という矢先、4番でティショットを左に曲げた。海岸に沿う遊歩道の柵を越えずになんとかラフに残っていたが、“後ろ”のフェアウェイに出すだけに。3打目はショートサイドのくぼ地に入り、ピンチを迎えた。地面が硬く弾かれやすいこともあってウェッジでのイメージがなかなか出せず、パターを選択した。「入れにはいっていなかった。寄せにいこう、ボギーで収まればいいな、みたいな。スーパーパーがきて、まだ流れも切れていないなと思った」。坂を転がっていく球はスライスフックのうねるラインを描き、そのままカップイン。ミラクルセーブから流れに乗り、2オンした6番パー5、9番、11番とバーディ。最終18番パー5では2打目をカラーまで運びバーディ締め。逃げ切った山下に2打足りなかったが、メジャー自己最高位に食い込んだ。5番では3メートルのチャンスが蹴られ、15番では2メートルを外して膝から崩れ落ちた。それでも、最初から最後まで、プレー中の表情は柔らかかった。「いつも最終日いい位置にいて、いいゴルフができない日が続いていた。メジャーでいいゴルフができたのは、自信にもつながる」と心境を話す。もちろん、2位に甘んじたことに「上を目指せた位置にいたので納得はいかないですけど…」と悔しがった。それでもメジャー制覇を成し遂げた山下を、「風があってもブレない気持ち。ショットも一定のリズムで機械みたいに打っている。そこが彼女の強み」と称賛。取材対応でシャンパンシャワーには参加できなかったが、アテストエリアで山下にハグをし、祝福した。CMEグローブ・ポイントランキングは35位に浮上。日米共催「TOTOジャパンクラシック」などのアジアシリーズ出場権だけでなく、上位60人による最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」の出場権獲得がほぼ“当確”になった。最終戦は初出場が叶う。「いいもの(感触)を見つけたので、それを継続して、もっと磨きをかけていけるように頑張りたい。まだまだ上を目指せる」。日本ツアーを含めた強行4連戦を最高の形でフィニッシュ。充実した表情で日本に一時帰国する。(文・笠井あかり)
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