<アムンディ・エビアン選手権 事前情報◇9日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504ヤード・パー71>古江彩佳が1年ぶりにエビアンに戻ってきた。4度目の出場だった昨年大会。3打差で残り6ホールを迎えたが、終盤の劇的なバーディラッシュにイーグル締めで、日米を通して自身初のメジャー初制覇を成し遂げた。会場だけでなく、“大好き”な街の至るところに古江がプリントされたポスターが貼られている。「すごくうれしいですね。ふふふ」。リラックスした表情で笑みを浮かべる。
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ルーキーイヤーだった2022年、「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」で米ツアー初優勝。そして3年目、思い入れもあるエビアンの地でタイトルを手にした。「人生は変わったかな。ティイングエリアでティショットをするときに『メジャーチャンプ』といってくれるのは響きがすごくうれしい」。そしてタイトル防衛に挑むことになる。この1年を振り返る。「成長できたかっていうとそうでもないかな」というのが、いまの正直な本音。今季はトップ10入り3度、ポイントランキングも13位の上位につけているが、ホステス大会やメジャーの計3試合で予選落ちを喫している。「LPGAで戦っているなかでは、今年は1番悪い状態かな。そのなかでも試行錯誤して調整しながら。うまくできているとは言わないですけど、頑張ってやれているほうかなと思う。アップ&ダウンはあるので、耐えるところは耐えて、攻めるところを攻めてという繰り返しをしていけたらいい」アン・ナリン(韓国)とペアを組んで18位に入った、2週間前の「ダウ選手権」では“ゴルフを楽しむ”という原点を再確認した。「上位争いをしたいという気持ちが強すぎた。ベストな状態ではなかった分、『ちゃんと振らなきゃ』みたいな思い込み過ぎた部分もあった」。いつもとフォーマットの異なる、リラックスした雰囲気の大会で取り戻した感覚。このエビアンでも、落ち着いた気持ちを保つことができている。実質4日ほどの短いオフには、コーチである父と顔を合わせ、スイング調整をすることができた。2〜3時間のわずかな練習にはなったが、多くのものを得る充実した時間になった。「スコアにつながらないのは悪いところがあったから。お父さんもテレビ(試合中継)でスイングを見たりしてはくれていた。悪いところを見つけて調整しました」。まだ完璧とは言えないが、調子は「上向き気味」とうなずく。アンジュレーションに富んだフェアウェイとグリーン。どのように打ち、どうやって傾斜を使いながらピンに寄せていくか。コースの攻略法は、覇者としてよく知っている。「また大会を盛り上げられる存在であれたらいいなと思う。自信を持って自分のゴルフをしたい」。古江らしい、いつも通りの自然体で意気込んだ。(文・笠井あかり)
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