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大谷翔平のバッティングで再確認! スイングをきれいにするなら「背中を大きく使うことが大切です」【四の五の言わず振り氣れ】

昨年でツアーから撤退した上田桃子やルーキー・六車日那乃などを輩出する「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。野球選手のスイングを見て、“背中を大きく使う”重要性を再確認したという。

【写真】お手本は大谷翔平! 背中を大きく使った六車日那乃のドライバースイング

◇ ◇ ◇大谷翔平選手のバッティングを見て感じたことがあります。それは、背中を大きく回していること。「背中を大きく使え」は、チーム辻村でも大切にしている言葉です。アドレスやフィニッシュで猫背になって背中を大きく回せない人に、ゴルフの上手な人はいません。上体がリキみ両肩が上がっていては、背中は大きく回せません。自信を持って振る人ほど背中が大きく見えるものです。もうひとつ感じたのが、割れた状態で待つ、ということ。日本の古武道に伝わる概念である“割れ”については、この連載でも何度か紹介してきました。左バッターの大谷選手の場合、前足である右足とバットを握る手元の距離がとても広く、後背筋や肩甲骨を“割って”構えているのでしょう。その結果、体が突っ込むことなく、ボールを懐深くまで呼び込み、体の真正面でボールを叩いています。ゴルフは止まったボールを打つ競技ですが、懐深く、体の真正面でボールを叩くことは極めて重要です。トップで“割れ”ができると、体の真正面でボールを見続ける時間が長くなります。叩ける時間が長くなるのです。そこでボクはよく選手たちに、「腰の回転の3倍ゆっくり胸や肩を回しなさい」と言います。そうした意識だけでも、トップで前足と手元の距離が広がって“割れ”ができる気がします。いずれにせよ普段の生活から自然体で背筋を伸ばし、背中を大きく見せることはゴルフに限らず重要ですね。背中を大きく回旋させるためには、竹を使ったドリルがオススメです。まずは2メートル近い竹を、両肩に担ぎます。その状態でシャドースイング。竹が長いので、肩の高さが変わったり、軸が傾くこともありません。しっかり回すためには、自然と背中を大きく使うしかないのです。よくスタート前に、クラブを肩に担いで同じ動きをしている人がいます。確かにストレッチ効果はあるでしょうが、クラブは短いため、肩の高さが変わったり、前傾角が崩れたりしやすいもの。クラブを使うのであれば肩に担がず、体の前で両手でクラブの両端を持って振るドリルをオススメします。両手の幅は可能な限り広くしてください。これでシャドースイングすれば、嫌でも背中は広く、大きく回せるようになります。トップで左肩をしっかり回して左腕を伸ばすことを意識しましょう。フィニッシュで右肩を目標へ向けて右腕を伸ばします。そうすれば、前傾角が崩れずに軸を傾けることなくスイングできるはずです。フィニッシュの形はとても重要。アマチュアはボールを打つことばかりに一生懸命ですが、ヘソをしっかりターゲットに向け、左足1本で立てるような大きなフィニッシュを心がけてください。素振りでも丁寧にそれをやれば、みなさんの背中は大きく回せて、スイングがかっこ良くなっているはずです。

■辻村明志つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。上田桃子、六車日那乃らのコーチを務め、プロを目指すアマチュアも教えている。読売ジャイアンツの打撃コーチとして王貞治に「一本足打法」を指導した荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。元(はじめ)ビルコート所属。※『アルバトロス・ビュー』855号より抜粋し、加筆・修正しています◇ ◇ ◇ ●1位〜10位にランクインしたのは? 関連記事【女子プロの”スイング完成度”ランキング 岩井姉妹、小祝さくら、竹田麗央……No.1は一体誰?】をチェック!

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