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ダブルス戦でトップ10入り 馬場咲希のポテンシャルを引き出した吉田優利の作戦は…

<ダウ選手権 最終日◇29日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287ヤード・パー70>それぞれがプレーして良い方のスコアを採用するフォアサム形式の最終日、終盤に差し掛かった16番パー4。馬場咲希が4メートルのバーディパット、吉田優利が2メートルのパーパットを残していた。吉田のマークはちょうど馬場のライン上。「『ライン見たいです…』って感じだった。自分は見せることだけに集中した」。先に吉田が決めてパーをセーブすると、馬場はそのラインに乗せるようにしてバーディを奪った。

【連続写真】吉田優利は“右を向いたまま”だからインから下ろせる!

17番も先に吉田がパーを確定させて、続いて馬場が4メートルを決めてバーディ。18番パー3でも馬場は吉田のバーディパットをしっかりと見ていた。ともにピン左サイドで、馬場はカップ際の切れ方を確認。参考にしながらしっかりと曲がる4メートルのスライスラインを沈めた。2日目は「69」と伸ばしきれなかったフォーマットで、9バーディ・ボギーなしの「61」をマーク。トータル16アンダー・6位に入り、吉田は今季初、馬場は今季3度目のトップ10入りとなった。“2人で力を合わせて取った上がり3連続バーディ”という言葉には、「いやいや、咲希ちゃんが獲ったバーディです」と謙遜するが、これは吉田にとっての作戦でもあった。最終日は馬場のバーディパットの前に、吉田がパーを決めているシーンが目立った。「咲希ちゃんはそっちの方が良さそうだった。安心材料があったほうがもっと力を発揮するタイプなんだなーと思った。わたしが先にパーを決めていた方が、しっかり打てていたので、いいパッティングをしてくれた」。もちろん、要所要所で吉田もしっかりとバーディを奪い、さらに妹分のポテンシャルも引き出した。「お互いの長所を引き出しながらできた」とプレーをかみ合わせたビッグスコア。最後はぴょんぴょん跳ねながら、バンザイして喜びを分かち合った。コース内はもちろん、コース外では食事をともにするなど、長い時間を過ごした1週間だった。馬場は吉田について「すごすぎました」と称賛。「私がミスしたところで、きれいなプレーをしてもらった。アプローチが残ることが最近多いけど、優利さんの技の多さを感じました」と学ぶことばかりだった。ペア結成に声を掛けた吉田も「ショットは飛ぶし、短いクラブで打てるし、パターもうまい。気持ちと技術をかみ合わせるのが上手というか、ポテンシャル大な選手」と5歳年下の後輩に期待を膨らませる。次戦は「アムンディ・エビアン選手権」(7月10日開幕、フランス/エビアンリゾートGC)になる。相手のプレーから吉田はスピンコントロール、馬場はアプローチと、磨いていきたいところを確認できた。「楽しかった」1週間を終えて一時帰国。わずかな日数のなかで、まずは連戦の疲れを癒していく。(文・笠井あかり)

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