<全米女子オープン 事前情報◇28日◇エリン・ヒルズGC(ウィスコンシン州)◇6829ヤード・パー72>日本勢21人が名を連ねる今年の「全米女子オープン」。このメジャーに初めて足を踏み入れる選手は6人。どんな思いでこの大舞台に挑んでいるのか。
3月24日付の世界ランキング上位75人に入り、切符をつかんだのが桑木志帆。昨年は日本ツアー「資生堂レディス」で初優勝を飾ると、メジャーを含む年間3勝と大躍進。メルセデス・ランキング6位でシーズンを終え、今季の年間女王候補として注目を集める存在だ。全米だけでなく、海外メジャーとしても初出場。練習ラウンドではスマホを片手にコースのあちこちを撮影していた。「すごく楽しいです」と目を輝かせる姿からは、大舞台に心を躍らせている様子が伝わってくる。ここに照準を合わせ、先週の「ブリヂストンレディス」はスキップ。20日には現地入りし、「時差ボケやこっちの芝に慣れるため」と早めの調整に取りかかった。現地では、「宿泊するホテルのジムでトレーニングをしたり、オフィシャルで借りているゴルフコースに練習しに行っていました」と、万全の準備を進めた。開催地は2017年に男子の「全米オープン」が開催されたコース。当時は伸ばし合いの展開が話題となったが、今回は多くの選手が「難しい」と口をそろえる。「(スコアは)伸びないと思います」と桑木も慎重な構えを見せつつ、「まずは4日間戦えるように頑張りたい」と意気込む。日本で積み重ねた経験を、いよいよ世界の檜舞台で試すときが来た。千葉県房総カントリークラブ房総ゴルフ場で行われた最終予選会を突破し、初出場の切符を手にしたのが泉田琴菜と池羽陽向らだ。プロ4年目の泉田は、3月の「アクサレディス in 宮崎」で自己ベストとなる4位に入るなど絶好調。今季出場9試合すべてで決勝ラウンド進出を果たしており、波に乗っている。「あまり特別なことはしていないです」とあくまでマイペース。「日本では使わなそうなアプローチを使う場面も多くなりそうなので練習していきたい」と、リンクスっぽさがあるコースに備えて新たな引き出しを増やしている。泉田と同じく、“ジャンボ軍団”の一員である池羽もコースへの対応に余念がない。「落ちる場所も違うし、いろいろなラインから落とされる。頭を使ってやらないと」と、アンジュレーションのあるフェアウェイとグリーンに向き合う。「冷静に状況判断ができるかがカギになる」とメジャーの戦いに備えた。予選会通過を師匠・ジャンボ尾崎に報告しようとしたが、「『来なくていいよ』と言われて。何も言えてないです」と苦笑い。朗報を届けるべく、4日間の戦いに挑む。(文・齊藤啓介)
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