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ドローヒッターの吉田優利さん、重心角が大きい『10Kヘッド』じゃなくていいんですか?【女子プロセットのどこマネる!?】

今季米ツアーに挑戦している吉田優利のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。

なんじゃこれ? 吉田の3Wの打痕は真ん中に集中し過ぎている!?

◇ ◇ ◇吉田プロのセッティングの特徴は、フェースコントロールするためにドライバーを選んでいる点。ドライバーの『B1 ST』は、浅重心で重心距離が短いタイプを選んでいます。例えば、『10K』と言われる深重心で重心角が大きい『Qi10 MAX』『G430 MAX 10K』などをドローヒッターである彼女が使用すると、勝手にフェースターンしてしまう。自分の意図しない引っかけが出ることを防ぐため、浅重心ヘッドを使うのです。スイングの動きによってフェースターンさせてドローを打たないとマネジメントできなくなります。シャフトもドローヒッターとはいえ、先調子系シャフトを使わないのも同じ理由。先端が動いて勝手にフェースが返ってしまうので、中調子系でしなりにくい『スピーダーNXグリーン 50S』を使用していると推察されます。手元が軟らかくてしなり量が少ないモデルなので、自分の意図通りにフェースをターンさせて、右に打ち出せます。彼女はタメが強いタイプなので、手元が軟らかいシャフトを使用するのも特徴ですね。しなり量が少ないシャフトを使う傾向は、セッティング全体にも当てはまる傾向です。アイアンの『KBS ツアー 90S』は、手元しっかり目の中元調子系モデル。全体のしなり量が少ないため、引っかけを防げます。フェアウェイウッドの『スピーダーNXグリーン 50S』、ユーティリティの『ATTAS EZ 75S』ともにドライバーと同じ中調子系でそろっているのは、上手い組み合わせですね。ドライバーで右プッシュに悩んだり、インサイド・アウト軌道の傾向が強い人は、彼女のように中調子を選ぶと、ミスが減らせる可能性があるので一度試すといいですよ。ヘッドを選ぶ基準は、芝から打つフェアウェイウッドやユーティリティと、ティアップして打つドライバーでは全然違います。3Wの『テーラーメイド SIM2 MAX』と5Wの『B3MAX』は、重心深度が深くてつかまりやすいヘッド。3Uの『TOUR B JGR HY』はグースネックで球をつかまえてラインが出しやすいモデルです。芝から打つ番手は、ドライバーと違って球がつかまる『やさしさ』を求めているのです。最近女子プロの主流になっているのが、5番アイアンだけやさしいモデルを使うセット。吉田プロも『221CB』をベースに、5番だけ同じ兄弟モデルの球が上がりやすい『222CB+』を使用しています。単品で買える5番アイアンも増えていますので、5番だけやさしいモデルを入れるセットを一度試すことをオススメしたいですね。【吉田優利のクラブセッティング 】1W:ブリヂストンゴルフ B1 ST(9.5度/スピーダーNXグリーン 50S)3W:テーラーメイド SIM2 MAX(15度/スピーダーNXグリーン 50S)5W:ブリヂストンゴルフ B3 MAX(18度/スピーダーNXグリーン 50S)3U:ブリヂストンゴルフ TOUR B JGR HY(19度/ATTAS EZ 75S)5I: ブリヂストンゴルフ 222CB+(KBS ツアー 90S)6I?PW: ブリヂストンゴルフ 221CB(KBS ツアー 90S)48度:ブリヂストンゴルフ BRM(KBS ツアー 90S)52,58度:ブリヂストンゴルフ BRM2 プロトタイプ(KBS ツアー 90S)PT: オデッセイ O-WORKS ブラック#2WBALL: ブリヂストンゴルフ TOUR B X ※24年ブリヂストンレディス時のセッティング■吉田優利よしだ・ゆうり/2000年生まれ、千葉県出身。2021年にツアー初優勝を飾る。23年に「ワールドレディスサロンパスカップ」で国内メジャー初優勝を果たして通算3勝目を記録。24年は米国の予選会を突破して、米ツアーに挑戦中。エプソン所属。■吉田 智よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている◇ ◇ ◇●今年はアスリートアイアンの当たり年。顔も性能もいいモデルが市場にそろっている。関連記事【僕らでも打てるアスリートアイアン27機種? 選ぶポイントは『表の顔』と『裏の顔』ってどういうこと?】を読めば、あなたに合うモデルが丸わかり?

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