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「明日はラウンド 朝起きるのが明け方だから早く寝よう」と思っても、寝入りの前倒しは30分か1時間まで

中高年はほぼ朝型のため寝坊の心配は少ないのだが、ゴルフの朝は起床が早いぶん前夜はできるだけ早く寝たい。しかし、前倒し睡眠の許容範囲はいつもの就寝時間の30分からせいぜい1時間前までだという。例えば、ふだん23時に寝ている人なら20時や21時には寝られない。早くに寝る体勢を作って寝られないと、かえってイライラする。22時過ぎにベッドに入るくらいでちょうどいい。

「同伴者のスカートの中が見えそう」なんて夢を見たときに、どうすればいいのかを悩まないために!

この眠りには深部( 脳や内蔵など体の内部)体温が深く関わっている。深部体温は午後から夕方にかけて最も高くなるためスポーツで好記録が出やすい。その反面、夜に深部体温が低くなるとき眠くなり、睡眠中は最も低いのだという。 つまり放熱するほど眠りに入りやすくなる。ゴルフ前夜はこの性質を利用して就寝1時間前くらいに入浴を終えたい。38?40度の湯船に浸かって深部体温を上げれば、入浴後に自然と下がって眠くなるのだ。副交感神経が高まりリラックスして穏やかに入眠できるというわけだ。 そして「睡眠は、深さや長さより主観を大事にして欲しい」と、早稲田大学睡眠研究所の西多昌規所長は言う。 「質のよい睡眠はどうしたら取れますか? と、よく質問されます。一般的には日中よく動き、夕方以降カフェインを摂らず、就寝前はスマホから離れることが大事です。でももし質=睡眠の深さと問われたら答えに窮します。徐波睡眠と呼ばれる深い眠りは加齢とともに減って浅い眠りが増えるからです」 それでも、満足のいく睡眠を取ることはできるという。 「朝起きたら体が軽い、やる気がみなぎるなど、『よく寝たな?。今日はいいスコアを出すぞ!』と、感じた朝が皆さんにもきっとあることでしょう。質を満足に置き換えると先の質問もシンプルになります。アナタがよく眠れたか。満足できたか。アナタが睡眠休養感を感じたときが良い睡眠です。睡眠時間や深さに神経質にならず、主観を大切にゴルフライフを楽しんでください」 「よく寝たな〜」と起きるには目覚め方も大事だ。朝は太陽の光を浴びることによって覚醒が促され、体内時計が整う。光を浴びてから16時間たつとメラトニンというホルモンの血中濃度が徐々に高まり、眠気を感じるようになるからだ。たとえば朝6時に太陽の光を浴びると22時頃にはメラトニンの作用で眠くなる。気持ちのいい早寝早起きをするには、夜寝る前はスマホのブルーライトを浴びないようにし、カーテンを少し開けて寝るのがオススメだ。 ●西多昌規医学博士(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 早稲田大学睡眠研究所 所長)国立精神・神経医療研究センター病院、東京医科歯科大学大学院、自治医科大学を経て、2017年に早稲田大学 スポーツ科学学術院 准教授。23年から現職。05年からハーバード大学医学部、15年からスタンフォード大学医学部へ研究留学。専門は精神医学、睡眠医学、スポーツ医学・心理学、産業メンタルヘルス。近著に『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』(草思社)。ゴルフ歴8年。 ◇ ◇ ◇ 胸を張って「自分のゴルフマナーは完璧だ」と言えますか。実は知らないところで無作法なことをしているのでは? 関連記事→カップに入ったボールを拾うとき「カップの近くを踏むな」と言われた。なぜ?【今さら人に聞けないゴルフのマナー&作法 厳選シチュエーション10】

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