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ウンの尽きだと思っていた木下彩にウンが巡ってきた 「そろそろ良いことあるかな」

<大王海運レディス 初日◇25日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6540ヤード・パー72>残念が続いていた木下彩に笑顔が戻ってきた。池越えの3番パー3で、池に近い手前に切られたピンに対し、52度のウエッジで果敢に1メートルにつけて最初のバーディ。ボギーの出だしにも「あのバーディでおはようって感じだった」と5バーディ・2ボギーの「69」に声を弾ませた。

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「先週からアイアンを替えて、シャフトは人生初のカーボンですごく軽い。ウッドが間に合わなくてバランスがバラバラだから、あまり期待していないけど、ゴルフ自体は良くなってきた。アンダーパーは出ているし。そろそろ良いことあるかな」2週前の「フンドーキンレディース」は首位タイで出た最終日に「74」と崩れて、7位タイに終わった。15日のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)から本戦出場を狙ったレギュラーツアーの「フジサンケイレディス」は最終ホールからのカウントバックで落ちた。その1週間後の22日に千葉で行われた「全米女子オープン最終予選」は2打及ばず、昨年は22人が出場した日本勢で4位タイの畑岡奈紗、6位タイの古江彩佳に次ぐ13位タイと大健闘した世界最高峰の舞台を逃した。ここ2週間で3度の「残念」。明るい性格で、何事にもプラス思考の引きずらないプロ7年目も珍しく引きずっていた。「マンデーは最終ホールでピン下1メートルのバーディーパットを外した。芝目と傾斜が逆で…。芝目のきつい高麗グリーンなのは分かっていたのに決められんかった。さすがにあれは悔しかった」追い打ちの糞(ふん)害にも遭った。失意のマンデーから千葉に移動する途中の新幹線の熱海駅。「ホームのベンチに座っていたら、多分ハトだと思うけど、ふんがべちゃっと落ちてきた」。直撃は避けられたが、ホームに落ちたふんが跳ね返って服とキャディバッグのケースにべたっとついた。「運がついた、と思ったけど、全米予選は落ちとるやないか。もうちょっと頑張れということだったのかな」。QTランク86位で今季は3シーズンぶりにステップ・アップ・ツアーが主戦場となるが、ここまでは、運の尽きの弱り目に祟り目だった。今週は自宅のある山口からフェリーを利用して会場のある松山に入った。「かなり久しぶり。酔いました」という2時間半の船旅。船酔いはしたが、潮風にあたってリフレッシュはできた。首位と4打差の16位タイからのスタート。運気はようやく上昇カーブを描いてきた。(文・臼杵孝志)

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