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「今年の初稼ぎ頑張ります!」 渋野日向子が「いつぶりですか」の60台で今季初の予選突破

<シェブロン選手権 2日目◇19日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6889ヤード・パー72>夕方の最終9番ホールグリーン上。渋野日向子は2メートルのバーディパットを沈めると、ホッとしたような笑顔を浮かべる。このプレーで自身今季初となる予選通過を確実にするトータル1オーバーにした。「やっと今年のスタートラインに立てました」。ラウンド後のインタビューでも、その表情は晴れやかだ

予選通過に安堵 渋野日向子のインタビューをお届け!【動画】

初日を終え4オーバーの101位タイ。出遅れを取り戻したい第2ラウンドは、カットラインを行ったり来たりするしんどい時間が続いた。前半2つ目のバーディとなった18番で、一度は通過圏内の2オーバーまで戻したものの、左ラフからの2打目をグリーン左ラフに落とした1番をボギーとして再び圏外に落ちた。その後も3番で取っても、6番の3パットで失う展開が続く。勝負所は2日間の平均ストロークが『4.555』で、難易度が最も低い8番パー5だった。予選通過まで1打足りない状況で迎えたここは、いわば“絶対にバーディが欲しい”場所。そしてその2打目は左手前のバンカーに入れたものの、3打目で2.5メートルまで寄せると、続くパットをねじ込んだ。「気を抜かないようにとは思いながらも、やっぱりそこで取りたかったから、ちょっとした安堵感はありました。ティショットがすごくよかったし、セカンドも狙えました」取るべきところで取らないといけないという重圧ははかり知れないが、それを乗り越えると、「2オーバーでも大丈夫なのかなとは思ってたけど、ちょっと不安だったから最後も取れてよかった」と9番でダメ押し。そして「69」というスコアでグリーンを降りることができた。「ひさびさのアンダー(パー)だもん(笑)。いつぶりですかって感じ」。渋野の60台は、今季自身初戦になった2月の「ホンダLPGAタイランド」第2ラウンドで記録した「66」以来、およそ2カ月ぶりのこと。アンダーパーのラウンドもそれ以来だ。この間のイーブンパー(2R)、もしくはオーバーパー(8R)で10ラウンドを過ごすことになった。そこからの脱却実現には、こんな“背景”があったことも明かす。「昨日、マネジャーさんに宣言したんです。『明日は4アンダーで回ります』って。なんか弱い気持ちをずっと持ってるから、あまりよくないなと思って。前向きに頑張りました」目標スコアまで1つ足らなかったのはご愛敬。有言実行のアンダーパーで、長いトンネルを抜けだすことができた。前日38.8%(7/18)だったパーオン率も55.5%(10/18)まで回復。「外れたのも昨日に比べたらすごくマシ。昨日は本当に今年1番ひどいんじゃないかっていうショットだったから、めちゃくちゃ悔しくて。1個1個確認しながら練習しました」。ラウンド後の特打ちも結果につながり、悩んでいた部分に少し光が差したという意味でも大きな一日になった。4日間プレーした「ホンダLPGAタイランド」は予選落ちがない大会。規定により、主催者推薦で出場した選手にはポイントが加算されないため、渋野はここまで“0pt”だったが、ようやくその数字も変わる。シード選手でない渋野は、3試合後の「ミズホ・アメリカズオープン」終了時に行われるリシャッフルの対象選手のため、それまでにポイントランキング80位以内に入るか、入らないかで、その後の出場試合数が左右されることになる。「メジャーだから頑張らないといけないのもあった。自分のなかでヒヤヒヤ感もずっとあるし、どこかできっかけをつかむには自分に勝つしかないなとは思ってました。なんかすごく、2日間しかやってないのに達成感。ははは」第一歩を踏み出し、明るい笑い声に加え、力強い言葉も戻ってきた。「(残り2日は攻撃的に)行きたいっすね。頑張りたい。ひさびさの4日間。上を目指さないとポイントも取れないし…今年初稼ぎ頑張ります!」。獲得ポイントが高いメジャー大会で、残り2日間はとにかく上を目指して戦っていく。(文・間宮輝憲)

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