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ステップ優勝もプロテストも通過点 アマチュア・都玲華がはじめて公言した「世界で戦いたい」

<SkyレディースABC杯 初日◇26日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>ステップ・アップ・ツアーのフラッグシップ試合で唯一の4日間大会「SkyレディースABC杯」の初日、4アンダーでトップタイに立ったのは19歳のアマチュア都玲華だ。

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1番からスタートした都は、距離のある3番パー3で幸先よくバーディを奪う。その後は6、7番の連続を含む4つのバーディを決めた。後半に入ると13番パー4でこの日唯一のボギーを叩くが、最終18番では見事に2オンに成功し、難なく2パットでバーディフィニッシュ。終わってみれば5バーディ・1ボギーの「68」。小林光希、竹山佳林らと首位タイに並んだ。「前半は32の4アンダーで特に良かったんですけど、いちばんはフェアウェイキープできたのが良かった原因かなと思ってます」と、ドライバーの安定を好スコアの要因に挙げたが決していい感触で大会に入ったわけではなかった。「調子はあんまり良くはないんですけど、(フォローで)手を放しながらでもなんとかフェアウェイに置いたりとか、そこからセカンドでチャンスにつけられたり、パー5でも獲れたので。長い難しいパー4の2番、11番をパーでいけたのも今日は大きかったです」。実は 2位に4打差をつけてトップ通過を決めた、先週のプロテスト2次予選でも同じような状態だったという。今季はプロの試合にも出場し、手応えをつかんできたかに見えるが、「2次テストの時も正直内容としてはけっこう調子が良くなくて、悪い中でも、芯に当たらないんだけど真っすぐいってる、絶好調ではない、最低限の調子ではあるけど良くもない、という感じでした」と、調子が悪い時の最低ラインをいかに押し上げるか? これはオフに取り組んできたテーマでもあるという。「最低限イーブン、1アンダーで耐えるというのはオフからの課題だったので、プロになったら調子が悪くても毎週試合があるので、最低予選通過してというのを考えるとやっぱり悪い中でもまとめて、スコアを作っていくというのはコーチ(石井忍)と課題にして取り組んできたことなので、それができるようになったのはすごくいいこと。ちょっと成長したのかな、とは思います」その石井コーチには月に1、2回、多い時は3回程度指導を受けているという。都の地元は徳島県だが、試合などで遠征も多くあるため、石井の拠点がある千葉にも頻繁に行き来できている。「2月にタイ合宿にいって毎日ラウンドして、技術だけでなくそういう部分をみっちり朝から晩まで教えてもらったので、それが今に生きている感じです」とマネジメント面でも成長することができている。初日の4アンダーは、勢いや調子の良さだけで出たスコアではない。ミスの確率を少なくする術を身につけ、ひと回り大きくなった成果でもあったのだ。現在19歳の都だが、同世代には櫻井心那や川崎春花らすでにツアーで活躍するプロも多い。「尊敬という言葉がいちばんふさわしいのかなと思いますね。やっぱり同年代で戦う場所は違うけど、誰もが憧れるツアーであれだけの成績を残しているのはやっぱりすごいなと思いますし、早く同じ舞台で毎週挨拶できるように、テストを頑張りたい。いい刺激をもらってます」。焦る気持ちはない。着実に自分の目標にむけステップを続ける。「ひとまず今日はいいスタートできたので良かったんですけど、あと3日ありますし今日よりも調子が悪い日ももしかしたらあるかもしれないので、その時はしっかり耐えてできるだけ上位で終えられたら。4日間戦えたらプロテストにも、その先の目標にもつながるんじゃないかなと思ってます」。すでにこの先の目標を見据えている。「目標はあんまり公表していないですけど、世界で戦いたいというのがあるので、テストも通過点として考えたいです」。無限の可能性を秘めた19歳、都の挑戦がはじまる。(文・土屋裕一)

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