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アニカの息子は11歳 大会史上最年少のウィル君「夢がかなった時間だった」

<PNC選手権 最終日◇18日◇リッツカールトンGC(米フロリダ州)◇7106ヤード・パー72>

最終18番パー5、2メートル弱のバーディパットをカップ真ん中から沈めたウィル君は、グリーンを取り囲んだギャラリーの大歓声につつまれた。「ウィル!ウィル!ウィル!」と最後はウィル・コールの大合唱。11歳のウィル君は母のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)としっかりと抱き合うと、大歓声に大きく手を挙げて応えた。2日目は5バーディで「67」をマーク。トータル16アンダーは17位タイだった。

メジャーチャンピオンが集まる今大会に、メジャー10勝を誇るアニカは例年、父のトムをパートナーに参戦した。しかし今年、タッグを組んだのは長男のウィル君だった。

「2年前、タイガーとチャーリーがこの試合でプレーするのを見てから、母と出場することが僕の夢になった」と11歳のウィル君の夢をかなえた。

11歳のレフティは大会史上最年少の出場。ウィル君のキャディは父のマイクが務め、これまでアニカのパートナーだった父のトムさんは、アニカのバッグを担いだ。アニカの母、グニラさんはカートのハンドルを握った。そして長女のアバさんはロープの外から大声援を送った。

18番フェアウェイを歩くアニカは「ほんとうに夢がかなった時間になった」とめずらしく感情を高ぶらせた。

「早朝にコースに来てウィルの笑顔を見て、彼のパッティングをする姿を見て、まるで天国にいるような気持ちだった。これ以上の望みはない」と52歳のアニカは語った。

ウィル君が注目を集めるのは今回が初めてではない。

今年、パインニードルス(米ノースカロライナ州)で開催された「全米女子オープン」に14年ぶりにアニカが参戦。ところがその週に近郊のパインハーストを訪れていたウィル君はパー3コースでホールインワンを達成。パインハースト・リゾートはウィル君にピンフラッグとバッグタグを進呈した。

ウィル君がタイガーに初めて会ったのはわずか1週間前。12月10日にタイガーがローリー・マキロイ(北アイルランド)をパートナーに、ジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピース(ともに米国)と戦った「ザ・マッチ」の会場だった。タイガーはウィル君に「やあ、僕はタイガー。ゴルフの調子はどうだい?」と声を掛け、ウィル君と握手を交わしたばかりだった。そんなチーム・ウッズと同じフィールドで戦った“チーム・ソレンスタム”は「夢がかなった時間を過ごした」と大きな笑みで大会を終えた。(文・武川玲子=米国在住)

<ゴルフ情報ALBA.Net>