<アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 2日目◇28日◇アマタスプリングカントリークラブ(タイ)◇7502ヤード・パー72>
メジャーリーガーの大谷翔平と同じ身長193センチと恵まれた体格。ドライバーの平均飛距離はキャリーで310ヤード。とんでもないポテンシャルの持ち主が日本代表として、アジア太平洋地域アマチュアナンバー1決定戦に出場している。リッキー・ファウラー(米国)の母校としておなじみのオクラホマ州立大学5年の欧陽子龍(おうよう・れお)、23歳。初日から「69」「71」とアンダーパーを並べて、トータル4アンダー・18位タイで週末を迎える。
初日は7つのバーディを奪いながら「攻めすぎたり、もったいないボギーが多かった」と4つのボギーを叩いた。2日目は11番パー5で2打目を3.5メートルに乗せてイーグルを奪ったが、14番パー4では3パットのダブルボギーも喫した。ショットの調子がイマイチで1つ伸ばすにとどまったが、「パッティングの調子はいい」と爆発の予感は十分に感じさせてくれる。
「明日からは後ろのティを使って欲しいね」という思いもある。大会発表のコースの総距離は7502ヤードだが、予選ラウンドはいくつかのホールで一つ前のティイングエリアを使用するなど、7200ヤード前後で行われた。
練習ラウンドは7502ヤードで行っていた。ティイングエリアが前に出たホールではドライバーショットの狙うラインが変わり、飛距離が出るゆえ、イメージ作りもひと苦労。「9番と18番は後ろのティからでも僕はフェアウェイバンカーをキャリーで超えるけど、ティを前に出すとみんな超えてくる。そういう意味でも飛距離のアドバンテージは取れていない」と話す。7502ヤードでもパー5はすべて2オン可能で、長いと感じることはない。これからが本番だ。
1999年3月29日に東京で生まれた23歳。幼少期からインターナショナルスクールに通っていた。父親の仕事の関係で11歳から3年間中国に在住。14歳で米国に居を移した。日本では野球少年だったが、米国でゴルフに出会うとのめりこむ。当時からスイングスピードの速さは周囲を驚かせていたほど。
サンディエゴの大学に入学したが、2020年に憧れていたリッキー・ファウラーの母校、名門・オクラホマ州立大学に転向。コロナ禍の影響で今年が5年生となる。来年5月の卒業後にはプロゴルファーの道を歩む予定。その前にこのビッグタイトルは手に入れておきたい。
首位を走るボー・ジン(中国)との差は6打。「けっこう差がついてしまったので、明日、明後日で(トータル)15アンダーまでいけたらチャンスあるかなと思っています。ちょっと仕事が増えましたね」と、ビッグスコアも覚悟する。
ボー・ジンは大学のチームメイトでもある。「今シーズンあまり調子よくなかったけど、バーディを獲り出したら止まらない選手」と手の内は分かっている。「今夜晩御飯でちょっかい出したいと思います(笑)」。米国育ちの大砲が頂点をにらむ。
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