<Danaオープン 3日目◇3日◇ハイランドメドーズGC(米オハイオ州)◇6598ヤード・パー71>
17番パー5で約3メートルのバーディパットを沈めると19歳のルーシー・リー(米国)は、右手で大きくガッツポーズ。「67」をマークすると単独首位を守った。2位につけるレクシー・トンプソン(米国)、カルロタ・シガンダ(スペイン)に1打リードで最終日を迎える。
ルーシーが世界に注目されたのは2014年。パインハーストNo.2で開催された「全米女子オープン」を11歳8カ月19日の最年少記録で予選会を突破して出場。現在もその記録を保持している。会見で「アイスクリーム」を食べながら話した姿が記憶に残る人も多いだろう。
あれから8年。すでにプロ転向し、20年から米LPGAツアー下部のエプソンツアーに参戦している。今季2勝を挙げて、ランキングトップ10が獲得する来季のLPGAツアーの出場権をすでに獲得済み。前週のカナダで開催された「カナディアン女子オープン」で9位に入り、こちらもトップ10が得る権利で今週の出場を果たした。
2日目に「64」をマーク。今年3月の「ホンダLPGAタイランド」でマークした自己ベスト弐並ぶスコアを記録し首位に立った。初日、2日目はボギーなし。「長いあいだそんなプレーはしていなかったから、ものすごく自信になった」と3日目の勢いにつなげた。
それでも3日目の朝は緊張したという。「少しナーバスだった。こんな緊張感はしばらくなかったから…」と1番、7番で2つのボギーが先行。ところが「あのボギーが逆によかったのかもしれない」と緊張から解かれると、8番らの11ホールで6つのバーディを奪い、トップに返り咲いた。
最終日はLPGAツアーを16歳7カ月で制したトンプソンと最終組で戦う。「試合で同組で回るのは初めて。でも11歳のとき、全米女子オープンでレクシーと一緒に練習ラウンドをした」とルーシーは振り返る。
「あのとき、レクシーに60ヤードくらいおいていかれた。今も20ヤードはアウトドライブされる」と笑う。
ともに『天才少女』と呼ばれた逸材だが、27歳のレクシーと19歳のルーシーは、ここまであまり接点は多くなかった。
「ずっとレクシーに憧れてきた。最高の戦いになると思う」とルーシー。戦いはこの2人だけではない。3打差に10人がひしめく大混戦、その中には大会連覇を目指す畑岡奈紗の名もある。
「こんなに早くLPGAツアーで優勝争いができるとは思っていなかった」と興奮するルーシー。勝利すればLPGAツアーメンバーとなり、今季最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」にも出場が可能となる。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>