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渋野のメジャーVは「すごいな」 山下美夢有が一時首位も「ぼんやりしていて気づかなかった(笑)」

<AIG女子オープン 2日目◇5日◇ミュアフィールド(スコットランド)◇6680ヤード・パー71>

混戦模様となっていた大会2日目の中盤。単独首位で出た渋野日向子が2つスコアを落とした時、首位タイの中にメジャー初出場の山下美夢有の名前が浮上した。

初日を2アンダーにまとめると、2日目はイーグルが先行し勢いづいた。5番はフォロー風が吹くホール。ピンまで260ヤードの2打目で5番ウッドを握ると、これがピンそば1メートルに吸い寄せられた。ここで一気に2つ縮めると、その後は3バーディ・2ボギー。17番パー5でも2オンを決め楽々バーディとするなど、終始安定したゴルフで首位と3打差のトータル6アンダーまで伸ばす。リーダーボードの5番目で決勝ラウンド行きを決めた。

はじめてのメジャー。緊張も何もなかった。コース内のリーダーボードを駆け上がって行ったが、「あまり見ていなかった。ぼんやりしていて気づかなかった(笑)」と、周りを気にせず自分のプレーに徹した。

2日連続の好プレーだが、振り返れば「楽しかった」という言葉が何度も口をつく。「リンクスなので、攻め方がいつもと違って楽しい」。風とランを計算して、組み立てるゴルフ。「自分でイメージして打つ。毎ホール楽しい感じで回れている」ことが好結果につながっている。

「ボギーは打つという考えで、チャンスがきたときにバーディを獲れるかどうか」の言葉どおり、チャンスホールでピンに絡め、それを決めきる。今年国内ツアーでメジャーを含む2勝を挙げている強さは、ゴルフの本場でも十分通用している。

今月2日に21歳の誕生日を迎えたばかり。3年前の本大会で渋野日向子が世界を驚かせたのを見て、「すごいなと思っていた。それでメジャーで戦いたいなって」。そう感じた憧れの舞台で、今度は自分が優勝争いを演じることになる。

「変わらず、しっかり風と闘って、上位で争いたい」。無欲のプレーでつかんだ決勝ラウンド。ガラッと雰囲気が変わるムービングデーを乗り切れば、渋野に続くメジャー制覇も見えてくる。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>