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女子高校野球全国優勝娘の吉村悠菜がツアー選手権覇者・塚田陽亮に弟子入り?「この収穫は私にとってすごく大きい」

<マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第6戦リオン・ドールコーポレーション/ゼビオグループチャレンジカップ 事前(本戦8月5日)◇27日◇ボナリ高原ゴルフクラブ(6293ヤード・パー72)>

今シーズンからマイナビネクストヒロインゴルフツアー(MNGT)に参戦している吉村悠菜(19歳)が、2016年日本ゴルフツアー選手権覇者の塚田陽亮のもとを訪れてレッスンを受けるという話を聞き、塚田の地元・長野に急きょ向かった。

吉村は3歳でゴルフクラブを初めて握るも、高校時代は開志学園(新潟県)に進み女子硬式野球に専念。21年高校3年時の全国高校女子野球選抜大会では、2番レフトで出場し見事優勝を遂げた。だがゴルフの試合は今シーズンのMNGT第5戦Sanrio Smile Golf Tournamentが初めてだったいう選手。初挑戦となった試合では5オーバーで、出場選手40人中31位タイと悔しい結果に終わった。

「いまは仕事をしながら、自分でスイングのことを勉強しながら練習を積んでいます」というように、高校卒業後にゴルフを本格的に再開してから誰かに教わる機会はなかった。だが、自分の力だけでは不十分と考え、「知人のつてを頼りに塚田さんに教わるチャンスを得ることができました」と話す。

クルマの免許をまだ持っていない吉村は、新潟からゴルフバッグを担いで新幹線を乗り継ぎ、72犀北ゴルフセンター(長野県)に乗り込んだ。塚田が日々練習を行っている練習場だ。

ボールを打ち続ける吉村に声をかけた塚田の第一声は「インスタグラムでスイングを見せてもらったけど、ボールが左右に散らばるでしょ。何が原因だか分かる?」。対して吉村は「はい、右にも左にもミスが出ています。ダウンスイングで右足が前に出るからだと思います」と返答。

「分かっているんだ。右足の蹴りが早いんだよ。野球のティバッティングと同じ。ゴルフは止まっている球を打つ。構えたところにインパクトで戻る。右足が前に出ると手元が浮いて、力が逃げるし打点が乱れるよね」と塚田。そして「アイアンはいいのに。特にドライバーに問題ある。ドライバーはティアップするから簡単だと思われているけど、一番長いクラブ、ツアーで勝負できる球を打つことを考えれば一番難しい。でも大丈夫。ワッグルを変えればよくなる」と続けた。

吉村のワッグルは手先でヒョイヒョイとクラブを上げるスタイル。「それではインパクトが点になってしまう。インパクトゾーンを長くするには、ヘソを一緒に動かさなくちゃいけない。ワッグルもヘッドとヘソを一緒に動かしてごらん」と塚田はアドバイス。

始動からヘッドとヘソを一緒に動かすには、予行動作のワッグルからその動きをやることが大事なのだという。「手で上げていると、手で戻すことになる。その上、遅くなったヘッドスピードを上げようとして腰を速く切る。それでヘッドが遅れて下りてきてスライスが出るし、スライスを嫌って手首をこねて引っかけも出るんだ」という塚田の説明に、納得顔の吉村。

塚田が続けたアドバイスは、ボール位置だった。「アイアンはもう少し左に置くといい。ボールをつぶして打っている」と塚田。

この貴重な時間をムダにはしまいと、およそ3時間で300球を打った吉村。左右の曲がりは抑えられ、ラインが出る球を打つようになっていた。「この収穫は私にとってすごく大きいです。しっかり自分のことを分析して頑張ります」と、笑顔で吉村は話した。

この日の最後には「可能性は大いにある。自信を持ってやること。目標設定は自分がどういうプロゴルファーになるのかを考えること。プロテスト通過を目標にしていたら、それすら達成することはできない。プロテストもひとつの試合だと考えること」と、塚田からの金言が。

「はい。テストでもいつもと同じ自分のゴルフができるように頑張ります」と決意を新たにした吉村に、「いつもと同じゴルフができればいい。それができるようになれば大丈夫。僕らだって試合になれば緊張する。緊張のメカニズムを知ることも大事だよ」と塚田が笑顔で応えていた。

翌日はラウンドレッスンだという。吉村は初めて回るコース。塚田という大先輩と初コースを回る緊張感をどこまで楽しめるか。その模様はまた改めて紹介する。

吉村が出場するMNGTの次戦は、リオン・ドールコーポレーション/ゼビオグループチャレンジカップ。8月5日(金)にボナリ高原ゴルフクラブ(福島県)で行われる。(文・河合昌浩)

取材協力/72犀北ゴルフセンター 撮影/ALBA

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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