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東北福祉大の“タイガー”が快挙 持ち味封印で初志貫徹アマV

<ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山 最終日◇17日◇福岡雷山ゴルフ倶楽部(福岡県)◇6905ヤード・パー71>

東北福祉大学の“タイガー”が快挙達成だ。最終日に「63」を叩き出して2打差を逆転した蝉川泰果(せみかわ・たいが、東北福祉大4年)が、下部ツアー史上5人目となるアマチュア優勝を成し遂げた。

見事な逆転劇だった。1番パー4で幸先よくバーディを奪い、前半4アンダーで折り返し。後半でも5バーディ(1ボギー)と攻撃の手をゆるめなかった。終わってみれば、2位に2打差をつけての戴冠。「まさか優勝できるとは…。自分でもびっくりしています!」と本人も驚きを隠せなかった。

泰果(たいが)という名前は、タイガー・ウッズ(米国)にちなんで名づけられた。平均300ヤードの飛距離を武器に、果敢にドライバーを握る。本家タイガーばりのアグレッシブプレーが持ち味だが、この日はいつもとゲームプランを変えた。

きっかけは4月のレギュラーツアー「関西オープン」だった。初日、2日目と好スコアをマークし、単独首位で決勝ラウンドに進出。しかし、3日目に「73」、最終日に「77」と崩れて、17位タイに終わった。蝉川は思い悩んだ。『なぜスコアを崩すのだろうか』。

そこで、今大会ではドライバーをあまり握らずに「ステディに攻める」ことを決心。初日、2日目ともに好スコアをマークし、4位タイで予選ラウンドを通過した。大学のコーチにも「そのスタイルをやり切ってみたら?」と背中を押され、“鬼門”の最終日に大爆発。初志貫徹の勝利をつかんだ。

今後は「日本アマ」やイタリアでの「世界大学選手権」、8月の「日本学生ゴルフ選手権」などアマのビッグトーナメントが続く。それが終わればQTを受験し、来季からはプロとしてツアーに挑む予定だ。

「(今後に向けて)ここで結果を残すことが自信にもつながると思っていました。ショットはプロの方達と対等に勝負できると確信できましたし、今回優勝することができて、とてもうれしく思います。今回の結果を生かして頑張りたいです」。これから続く激戦を見据えた21歳。その表情はまた一段と頼もしくなっていた。

【下部ツアーのアマチュア優勝】

・片山晋呉(1990年、水戸グリーンオープン)

・小平智(2010年、鳩山カントリークラブ・GMAチャレンジ)

・杉原大河(2019年、石川遼 everyone PROJECT Challenge Golf Tournament)

・河本力(2021年、TIチャレンジ in 東条の森)

・蝉川泰果(2022年、ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山)

<ゴルフ情報ALBA.Net>