<すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント 初日◇2日◇イーストウッドカントリークラブ(栃木県)◇6867ヤード・パー72>
国内シニア「すまいーだカップ」の第1ラウンドが行われ、静岡県のゴルフ練習場「ドリームショットゴルフクラブ」に勤務するシニア2年目の矢澤直樹が、8バーディ・3ボギーの「67」で回り、佐藤えいち、田村尚之と並んで首位タイで滑り出した。
高校卒業後、ゴルフ場で研修生となった矢澤は10年かけてプロテストに合格し、1998年にプロゴルファーになった。「(レギュラーツアー)シード選手になりたいと思って頑張っていたけど、まったくダメでした」。46歳になるまでQTに挑戦し続けたが、レギュラーツアーの出場試合数は11にとどまり、最高成績は2011年「日本プロゴルフ選手権」の61位タイ。
「レギュラーツアーの経験が少ないから、俺にとってシニアのメンバーはレギュラーツアーなんです」。レギュラーツアーで何勝も挙げている選手がたくさん集まるシニアツアー。そうした名前の前に委縮していたという。
昨年シニアデビューを果たした矢澤は、今季の出場権をかけた予選会で8位に入りフル参戦の権利を得た。この日はシニア5試合目にして初めて60台でのラウンドとなったが、その原動力はパッティングだ。
「もともとパッティングは苦手で、1ピン(2.5メートル)ぐらいの距離は絶対に入らない」というほど苦手意識がある。知人とラウンドをした際に、「矢澤君はパターが入らないからね」と長尺パターをプレゼントされた。パター自体に重量がある長尺は、「打ち切れなかったと思っても転がってくれる」と今週から投入して矢澤をサポート。この日は2〜3メートルのバーデパットを5つ沈めるなど、スコアを伸ばした。「びっくりですよ。長尺(パター)さまさまです」。リーダーボードの一番上に名前があると「マジ嬉しいです」と笑みを浮かべた。
レギュラーツアーでは結果を残せなかったがシニア挑戦を決めると、2年前から今までやったことのないウェイトトレーニングを取り入れるなど準備を始めた。「20ヤード飛ぶようになりました。ドライバーのキャリーは250ヤード以上いきます」。レギュラーツアー時代は飛距離不足がコンプレックスだったが、シニアツアーでは“人並み”の飛距離を出せるようになり戦えるようになった。
この日の首位発進とは裏腹に「自分は得意なものはないですよ。アプローチ、バンカー、パットと苦手なモノの方が多いです」とかつてレギュラーツアーで活躍した選手と比べると自分は見劣りするという。ツアーに出場する際には「有休」で休みを取っての参戦。「今季の目標はシード権獲得。優勝なんておこがましいですよ。残り2日、上位に入れる位置で回りたい」。レギュラーツアー時代に叶えられなかった“シード権”獲得に向けて、有意義な有休を過ごしたい。
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