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普段とは異なるグリーンメモ 全米女子で求められる日本にはないルールへの対応

<全米女子オープン 事前情報◇30日◇パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)◇6638ヤード・パー71>

指定練習日の2番ホールのティイングエリアで、そこに来た選手に対してUSGAによるルールの再確認と徹底が行われた。内容は2022年1月1日より“モデルローカルルール"(MLR)として始まった“グリーンリーディング"に関する用具の禁止についてである。

このルールは、「選手とキャディが目と感覚によりグリーン上でラインを読むことを目的」としており、使用できるのは各大会が承認した大きなスロープや段差やエッジなど最小限の情報にとどめられるヤーデージブックのみ。加えて選手、キャディの手書きのメモも一定に制限される。今大会で使用が許可されるものは「与えられたヤーデージブック」、「ピンシート」、「コースマップ(全体が俯瞰で撮影された図)」の3つのみに限定された。

すでに米国男女ツアーで採用されているものだが、日本ツアーではこのルールを採用しておらず、これまでと同様に傾斜が描かれたヤーデージブックを使用している。そのため日本ツアー勢はこのルールに対応する必要があるのだ。

西郷真央も「書いてないとなかなか分からないですね」と困惑している一人。「いつもは何ヤードのところに傾斜があると書いてあるけど、今回は書いていないので実際に見ないと…」。だが、その傾斜は非常に大きく多岐にわたるため、「ロブが必要だったり、うまく打たないとアプローチが奥に出てしまったりする…」と様々なアプローチが求められる。その練習もしないといけない。そのため自身は練習して、キャディは歩いて確認する、という時間を設けるなど工夫して過ごしている。

同じく西村優菜も対応に追われている。ナショナルチーム時代から使用してきた傾斜計測器も使えず自らの目と打った球を見ながら確認していかなければならない。「コースメモに何も書いていないので新鮮な感じもあります。それを自分で確認している感じですね」と18ホール歩いてのチェックなど準備を進めている。

一方ですでにこのルールで対応している渋野日向子のキャディを務める藤野圭祐氏は「だからといって大きく変わらないですよ」という。「もちろん書き込むという意味ではやることは増えましたが、以前から渋野プロが練習しているあいだに僕がコースのチェックに行くことは何度もありました。そこにヤードや傾斜を書き込むという作業が増えただけですよ。プロも普通に対応していますしね」とあっけらかんという。

プレー以外の部分でも求められる“世界基準”への対応。結局はやることは変わらない。一つずつ落ち着いて対処していきたい。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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