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悪夢を振り払う300ヤードドライブ 渋野日向子は4位に導く一打に「やってきたことを信じた」

<シェブロン選手権 最終日◇3日◇ミッションヒルズCC ダイナ・ショア トーナメントC(米カリフォルニア州)◇6884ヤード・パー72>

最後のミッションヒルズをいい思い出で締めくくった。2日目を終えて首位に立ちながらも3日目に21位タイに後退した渋野日向子は、最終日に7バーディ・1ボギーの「66」とスコアを6つ伸ばしてトータル10アンダーでホールアウト。今季最初のメジャーで4位タイとトップ5フィニッシュを決めた。

抜群の安定感を誇っていたドライバーショットが前日に突如乱れた。後半にある程度は修正できていたが、気持ちの切り替えには「やけ食いしましたよね(笑)」と時間がかかった。それでも最後は間に合わせ、この日の朝の練習場では「いい意味で力が抜けていた。これでいいんじゃないかなと、だんだん地に足がついてきた」。

前日にティショットが悪くなった原因となったのが2番ホールのティショットを大きく右に曲げたことだった。そこから右も左も「怖くなった」と振り抜きが悪くなってしまい、リキみも生じた。テクニカルな部分でも、テークバックがおかしくなってしまった。

1番をパーで切り抜けて迎えたその2番。「昨日の悪いイメージがあった」というなかでも「なるべくトップまで丁寧にあげて、というのを意識した」とスイングに意識を置きつつ振りちぎったティショットは前日ラフに入った地点をはるかに超えて300ヤードを上回るビッグドライブ。しかもフェアウェイだ。ここをしっかりとバーディとすると、3番、4番と3連続バーディを奪取。序盤の流れを作った値千金の一打となった。

さらに前日大きく左に曲げた7番のティショットも「嫌なイメージあったけど(笑)、しっかり振り抜きました」とこちらもフェアウェイにしっかりと置いてパーをセーブ。鬼門の2ホールを乗り越えるとバックナインでも3連続を含む4バーディで一気にリーダーボードを駆け上がった。

最後に信頼を寄せたのは自分自身だった。「朝の練習でもティショットが乱れていたけど、自分がこれまでやってきたことを信じて試行錯誤してやりました」。2年前のオフから始まったスイング改造。成績が出ず、周囲の雑音を耳にしながらもやり遂げ、さらにこのオフでブラッシュアップして自分に染み込ませた動き。間違いなかったことをメジャーという舞台で証明した。

「4日間すべてでいいゴルフはできなかったけど、そのなかで3日間いいスコアでできて、上位に食い込むことができた。成長を感じられる。スコアにもあらわれるとやってきてよかったなと思います」。ドライバーショット以外にもアプローチ、マネジメントとレベルアップを大いに感じた一週間。今回得た自信を胸に、世界最高峰の舞台での次なる勝利を目指して戦っていく。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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