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「私ダメな子なんです(笑)」 昨年テスト合格の須江唯加、開幕戦で1差発進「大人になりました!」

<ラシンク・ニンジニア/RKBレディース 初日◇29日◇ザ・クラシックゴルフ倶楽部(福岡県)◇6577ヤード・パー72>

黄金世代といえば1998年度生まれ。2000年度生まれはプラチナ世代もしくはミレニアム世代。その“狭間”にいるのは? 答えは“稲見萌寧世代”。そんな話をしてくれたのが、昨年11月のプロテストで合格した1999年度生まれの須江唯加(すえ・ゆいか)だ。

ステップ・アップ・ツアーの22年開幕戦初日を4バーディ・2ボギーの「70」で回り、首位グループと1打差の6位タイ発進を決めると、「ここに来る前は調子が悪かったんですけど、いいゴルフができました」とはにかんだ。

19年、須江は単年登録選手としてステップ・アップ・ツアーで19試合プレーしたが、規定が変更されて日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会員以外はQT(予選会)に出られなくなった。その年のプロテストは不合格、延期となっていた昨年6月に行われた20年度のプロテストは2次予選で敗退。苦しい時を乗り越え、ついに同年11月に合格し今週が“プロゴルファー”としてのデビュー戦となった。

渋野日向子をはじめ、近年も多くのプロゴルファーを輩出している岡山県作陽高校出身。手強いライバルたちがそろう年代に「しんどいですよ(笑)」というのが正直な気持ちだ。単年登録選手の期間が終わったあとは、ゴルフをやめようと思ったこともあった。「でも続けちゃって」と自虐気味に話すが、いまでは立派なプロゴルファーの一員だ。

ゴルフのスタイルは「安全に」。特に今回のコースは20年10月に「日本女子オープン」が開催されたコースで、「距離も長いしあまり攻められないんです」と安全運転を心がけた。「大人のゴルフになりました。めっちゃ気をつけて、無理をせずに」と初日からこのスタイルが好結果に結びついた。

自身の性格は「文句が多い(笑)」と返しの言葉が面白い。「ダメな子なんです、私(笑)」と自虐ネタが多いが、ゴルフにおいては自虐が奏功する場面もきっとあるはず。若手女子ゴルファーが対戦するテレビ番組では優勝も経験し、名前も広まっていったが「放送で私のタメ息とか聞こえちゃったみたいで」と視聴者から『ネガティブ!』のコメントも入ったことがあると笑って振り返る。

「いまでも不安が多い」と、よく言えば謙虚さが無謀運転を制御している。それでも目標はステップの賞金ランキング10位以内。そこに入れば、年末のQTはファイナルから出場できるからだ。「あんまり自分に期待していないので」と最後も自虐コメントだが、2日間競技の今大会。最終ラウンドでは、どんなゴルフを見せてくれるのか。自分につっこみを入れながら、優勝争いをする須江に注目。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>