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タイの天才少女、アタヤ・ティティクルが米ツアー初優勝!

<JTBCクラシック 最終日◇27日◇アビアラGC(米カリフォルニア州)◇6609ヤード・パー72>

首位を走っていたナンナ・コルザ・マジソン(デンマーク)が、最終18番パー4で今週初めての3パット。最悪のタイミングでスコアを落とし「70」でホールアウトした一方で、その45分前にホールアウトしたアタヤ・ティティクル(タイ)は9バーディー・1ボギーの「64」をマーク。通算16アンダーで並び、勝負はプレーオフへともつれ込んだ。

プレーオフ1ホール目の18番はともにパー。2ホール目も舞台は再び18番。マジソンがティショットを左に大きく曲げて、2打目はグリーン右の池へと大トラブルに。その反面、ティティクルはフェアウェイからピン手前15メートルに2オンした。

マジソンは第4打をピン上4メートルにつけたが、これが入らずダブルボギー。ティティクルは最後を3パットのボギーとしたが、マジソンを退けた。

「もちろん、みんなと同じように勝ちたいと思って試合に出ている。だけどこんなに早く勝てると思わなかった。今は気持ちがクレイジー」とティティクルは興奮した。2月に19歳になったばかりで、昨年12月に渋野日向子らとともに「Qシリーズ」に臨んで3位でフィニッシュ。今季からツアー参戦するルーキーだ。

とはいえ、2021年には欧州女子ツアーで2勝。そして賞金女王にあたる「レース・トゥ・デル・ソル」を制し、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」、「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」を総なめ。米女子ツアーでも5月に母国タイで開催された「ホンダLPGAタイランド」で2位、8月の「トラスト・ゴルフ・スコティッシュ女子オープン」でも2位タイに食い込んだ。

アマチュア時代には17年7月に「欧州女子タイ選手権」を14歳4カ月で勝利。リディア・コ(ニュージーランド)が持つ15歳9カ月のプロツアー最年少優勝記録を更新した。19年には再び「欧州女子タイ選手権」を制すると、アマチュア世界ランキング1位に浮上。タイの「天才少女」とその名をとどろかせた。

それでも米ツアー勝利には「夢が叶った」と声を振るわせた。誰しもが苦戦した難グリーンを最終日は「24」パット。「そんなに良かったなんで、知らなかった」と本人も驚くほどだった。レギュレーションの18番ホールでは3メートルを沈めてパーセーブすると、両手で大きくガッツポーズ。「最初の3日間はなかなか入れることができなかった。きょうは良い転がりをさせることだけを考えていた。入ってくれて良かった」と喜んだ。

「CMEグローブポイントランキング」も4位に浮上。次週の海外メジャー初戦「シェブロン選手権」での活躍も、大いに期待がかかる。(文・武川玲子=米国在住)

<ゴルフ情報ALBA.Net>